震災に正面から向き合い、アートの意味や役割を問う展覧会『3.11とアーティスト:10年目の想像』。

  • 文:赤坂英人

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小森はるか+瀬尾夏美『二重のまち/交代地のうたを編む』2019年。震災後のボランティアを機に活動を開始したふたり。過去には陸前高田市に3 年間暮らしながら制作に取り組んだ。   © Komori Haruka + Seo Natsumi

【Penが選んだ、今月のアート】

茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーで、非常にジャーナリスティックな展覧会が始まった。『3.11とアーティスト:10年目の想像』展である。「3.11」、この数字は多くの日本人にとって、忘れることができない日付を表している。「東日本大震災」が起きた日だ。2011年3月11日、14時46分頃、三陸沖の深さ24kmを震源とする地震が発生した。マグニチュードは9.0。それは国内観測史上最大規模であり、20世紀以降では世界で4番目の巨大地震であった。その後の人々を襲った大津波。東京電力福島第一原子力発電所のメルトダウン。東日本大震災の被害は甚大で、震災から3カ月後、死者は約1万5000人に上った。

大震災当時、水戸芸術館も罹災し、被災者の臨時避難所となった。そうした経緯もあり、12年に展覧会『3.11とアーティスト:進行形の記録』を開催。それは「大規模な災害を経験したばかりの頃、アートの意味や役割が問い直されるさなか、アーティストらがとった行動の大半は、支援と記録を主眼においたもの」だった。

そして10年目となる今回の展覧会。出品作家は、加茂昂、小森はるか+瀬尾夏美、佐竹真紀子、高嶺格など。作品はそれぞれの作家独自の視点で制作された力作揃いだ。なかでも映像作家の小森はるかと画家の瀬尾夏美のアートユニットの映像作品『二重のまち/交代地のうたを編む』に心惹かれた。「復興」という巨大事業が進む中で、被災者はそれぞれが混沌とした複雑な気持ちを抱きながら生きていた。そこに4人の旅人が現れ、住人たちと旅人との出会いから新たな物語が紡ぎ出されていく。その光景は、まさに新たな死と再生の物語の始まりのように私には思えた。

加茂昂『福島県双葉郡浪江町北井出付近にたたずむ』2019年。作者は、日本が抱えてきた甚大な災禍を近年の作品テーマに据える。 撮影:加藤健

高嶺格『ジャパン・シンドローム水戸編』2012年。原発事故の際の人々の会話を再現したシリーズ。

『3.11とアーティスト:10年目の想像』
開催期間:2/20~5/9
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
TEL: 029-227-8111 
開館時間:10時~18時 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(5/3は開館)
料金: 一般¥900(税込)
www.arttowermito.or.jp
※臨時休館や展覧会会期の変更、また入場制限などが行われる場合があります。事前にお確かめください。

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