「十四代」や「風の森」など中田英寿が厳選した日本酒を、自宅で楽しめるサービスが開始。

  • 写真:岡村昌宏(CROSSOVER)
  • 文:小久保敦郎
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中田英寿●1977年、山梨県生まれ。元サッカー日本代表選手。A.S.ローマではリーグ優勝に貢献するなど、欧州のトップリーグで活躍。日本代表としても3大会連続でW杯に出場。2006年に29歳で現役を引退。15年に「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を設立。日本酒をはじめ、日本文化の魅力を国内外に発信し続けている。立教大学の客員教授も務める。

「Sakenomy」はラベルを撮影したり、文字検索をするだけでその酒や酒蔵の情報にたどり着ける優れものの日本酒アプリ。全国の蔵を網羅したデータベースは世界最大級といわれ、累計20万以上のダウンロードを誇る。その「Sakenomy」と連動した日本酒専門ECサイト「Sakenomy Shop」が1月28日にオープンした。開発したのは、中田英寿さんが代表取締役を務める「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」。日本酒のECサイトはいくつもあるが、データベースとの連動は実に画期的。「Sakenomy」の情報に加え、なぜ中田さんは日本酒を購入できる場を新たにつくったのだろうか。

「飲食店でおいしい日本酒に出合ったとします。家で飲みたいな、と思った時、どこで買えるのかわからない。そんな経験はないでしょうか。というのも、日本酒の中でも地酒と呼ばれるものは、流通が限定されている場合がある。さらにホームページでオンライン販売していない酒蔵もたくさんあります。一方、コロナ禍で飲食店が時短を余儀なくされ、売上が減った影響は酒蔵にもおよんでいます。このままでは厳しい、という蔵元の声を聞いた時、酒蔵と個人をつなぐ仕組みをつくらなくてはと思いました。日本酒は伝統文化です。いまやらなければ、コロナ後も同じリスクは残ってしまいます。蔵元が投資することなく参加できて、消費者は飲みたい日本酒を自宅に届けてもらえるプラットフォーム。そんな両者をダイレクトに結ぶためのシステム開発を、この半年間進めてきました」

「Sakenomy Shop」で取り扱う商品の一例。左:「富久長 LEGACY 0」500㎖ ¥11,000。1990年醸造の大吟醸出品酒を使い、数量限定で醸した貴醸酒。杜氏は英BBC「今年の女性100人」2020年版に選ばれた今田美穂さん。中:「出羽鶴 awa sake 明日へ」720㎖ ¥5,500。SAKE COMPETITION 2019 でGOLD第一位を受賞した、注目のスパークリング日本酒。右:「ALPHA 風の森 TYPE2」720㎖ ¥3,300。「ALPHA」は風の森が日本酒の可能性を追求するブランド。TYPE2は酒造好適米「秋津穂」を22%まで磨いている。

それぞれの酒蔵が発信する、日本酒に合うフードペアリングも必見。

注目を集める「Sakenomy Shop」は、最初70蔵が参加する形でスタート。幻の日本酒といわれる「十四代」をはじめ、「東洋美人」、「風の森」など人気銘柄が顔を揃える。「Sakenomy」同様、サイト内の情報は各酒蔵が直接発信しているもの。つまり、公式情報だ。このサイトならではのこだわりは、他にもある。たとえばオーダーした日本酒は、酒蔵からクール便で直送される。

「日本酒は保管温度の影響を受けやすい飲み物です。どうすれば最良の状態で自宅まで届けられるか考えた時、酒蔵から直接出荷し、クール便で運ぶのがいちばんいい。到着後も家庭の冷蔵庫で保管しやすいよう、販売するのは720ml以下のサイズに限りました。酒蔵から直送することで、市販品だけでなく、蔵で詰めたばかりの特別な酒を出品することも可能になりました。実際、チャレンジしたいという話も出ています」

「Sakenomy」とリンクしている最大のメリットは、やはり膨大な情報量だろう。買おうとする酒の基礎情報だけではなく、どのような料理に合うのか、どんな飲み方がお薦めなのか、飲食店でも使える実用的な情報まで知ることができる。このデータベースは、検索にも生かされている。

「たとえば焼鳥が好きなら、フードペアリング検索をすると焼鳥に合う日本酒がどれなのかすぐわかります。銘柄で選ぶのではなく、料理から日本酒を探すこともできるのです。これにより、料理店の日本酒仕入れもよりやりやすくなると思います。また今回のECサイト立ち上げでは、蔵元に自社の日本酒に合う地元のおつまみを紹介してもらう特集も組みました。購入先もリンクしているので、セットで味わえば家飲みがさらに楽しめるのではないでしょうか」

スタートは70蔵だが、参加する酒蔵は毎週増えていく予定。今後は酒販店が参加できる形も視野に入れているという。

「日本酒業界のためにまずは酒蔵と消費者をつなげ、最良の状態で酒を届けることが大事。いずれ、すべての酒が見つかる場所にしたい」と話す中田さん。「Sakenomy Shop」という日本酒好きの強い味方が、またひとつ誕生した。

日本酒アプリ「Sakenomy」と連動することで、膨大なデータベースを活用。地域や蔵元から探すだけでなく、フードペアリングや好みの飲み方から酒を選べるのは画期的。入手しづらい人気銘柄も参加している。

●Sakenomy

www.sakenomy.jp