村上隆×陶芸家・村田森のタッグによる、和食のための陶芸専門店が京都に誕生。

  • 文:小長谷奈都子
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改装を手がけたのは、京都の建築家・岡本成貴。作品が映える、木と土壁、唐紙が調和するモダンな和の空間だ。店の奥の坪庭では、四季折々の草花が彩りを添える。photo by Sadaho Naito

京都を拠点に活動する陶芸家・村田森と、現代陶芸に関心を寄せる現代アーティスト・村上隆のコラボレーションによるうつわの店が京都の岡崎に誕生した。

村田は、年間10回以上日本各地で個展を開いてきた人気作家でありながら、2016年より新作の発表を止め、自身のものづくりを深く掘り下げてきた。そして3年間の準備期間を経て、料理とうつわの究極の調和を求めて、陶芸術や書、絵などを展示、販売するプラットフォームを立ち上げたのだ。村上率いるカイカイキキがその運営をサポートする。

場所は、京都市京セラ美術館や京都市動物園があるにぎやかな通りから、一本入った静かな路地。住宅として使われていた長屋の一軒が、土壁や木をふんだんに使った清々しい和の空間に生まれ変わった。6月末に行われたプレオープンで店内に並んだのは、韓国・務安(むあん)で焼きためた粉引や刷毛目、灰釉など、約340点のうつわ。新型コロナウイルス感染症対策のため、人数を制限した事前アポイント制ながらも、ひさしぶりの新作の発表に店内は静かな熱気に包まれた。今後もテーマを決めて、事前アポイント制でのオープンを続けていく。また、オンラインショップも開設しており、海外からのオーダーにも対応する。

古典に学びながら、さまざまな技法を駆使し、独自の軽妙さが漂う。そんな村田の世界観が、4年の歳月を経てどう進化しているのか。隅々まで思いのつまった空間で、実際に作品を見て触れて感じたい。

正面のディスプレイ棚は、禅の円相をイメージして京都のコンブ金物店に特注したもの。写真右手前の床の間に見立てたスペースには、高台寺の松の古材が使われている。photo by Sadaho Naito

6月末のプレオープンでは、韓国の南西部にある務安に築いた窯で焼いた作品が並んだ。素朴ながら表情豊かな土の花器や徳利、茶碗などが力強い存在感を放っていた。photo by Sadaho Naito

務安で焼かれた花器。右は、韓国慶尚南道河東郡の土で生地をつくり、白化粧土を施し、文様を釘彫した刷毛目彫文扁壺。左は、韓国慶尚南道河東郡の河東カオリンの産地で採取した土の生地に、同全羅南道務安郡の干潟の泥と酸化金属を混ぜた泥漿(でいしょう)を塗って彩色した黒彩壺。花を担当するのは紫竹にある花屋「みたて」。photo by Sadaho Naito

靴を脱いで上がる2階は、白漆喰の明るい空間。ここにも作品が展示される。photo by Sadaho Naito

プレオープンに合わせてオンラインショップで販売された向付(むこうづけ)8型。疫病退散のご利益があるとされる妖怪「アマビエ」「アマビコ」がほのぼのしたタッチで描かれている。各¥17,600(税込)。受注生産で現在は販売を中止。photo by Fusako Murata

住宅地の中で目を引く木の格子扉を目印に。看板の文字やイラストは村田の手によるもの。photo by Sadaho Naito

となりの村田 Tonari no Murata
京都府京都市左京区岡崎南御所町18-11
TEL:075-746-6897
https://tonarinomurata.com
instagram:@tonari_no_murata
ONLINE SHOP:https://tonarinomurata.shop-pro.jp/
販売に関するお知らせ:https://zingarokk.com/
※今後の営業日は、instagramにて要確認