持田香織が選ぶ、井上陽水楽曲のMY BEST 3──ソロ活動への新たな一歩を踏み出させた、陽水本人から提案されたカバー曲。

  • 文:杉本勝彦

Share:


1位.いつのまにか少女は (シングル「夢の中へ」収録)

2位.海へ来なさい (『スニーカーダンサー』収録)

3位.長い猫 (『LOVE COMPLEX』収録)


Every Little Thing(ELT)と並行して続けるソロ活動が、2019年に10周年を迎えた持田香織さん。ソロを始める契機となったのが、04年に井上陽水プロデュースで発表したカバー曲「いつのまにか少女は」だった。

「ソロをやったほうがいいという提案とともに、私に合うと選んでいただいた曲でした。いま振り返ると、当時はELTの活動についていろいろと考えを巡らせていた時期で、そんな私の気持ちの変化をそのまま歌わせてくださったのかなという気もします。陽水さんには新しい方向性を示してもらえたと思いますし、この曲がなければソロ活動はしていなかったかもしれません」

移り変わる少女の機微について歌われたこの曲。井上陽水との共演は、持田さんに音楽との向き合い方も教えてくれた。

「陽水さんがブルースハープを吹いている姿をよく覚えていて、こんなに感情があふれる音色があるんだと感激しました」

「長い猫」は、井上陽水の娘・依布サラサが作詞し、陽水とサラサが互いに出した単語を合わせて曲名にした逸話がある。

「意味のない言葉であっても、それが意味をもつ。自分で作詞をするようになり、陽水さんのものの見方に影響を受けました」

持田香織●1978年、東京都生まれ。Every Little Thingのボーカルとして96年にデビュー。並行して2009年にソロ活動を開始。10周年となった昨年は7年ぶりとなるミニアルバム『てんとてん』と、シングル「まだスイミー」を発表。

こちらの記事は、Pen 2020年5月1・15日合併号「【完全保存版】井上陽水が聴きたくて。」特集からの抜粋です。