角形の腕時計にはスタイリッシュなモデルが少なくないが、フランク ミュラーの「ロングアイランド」は、セクシーな雰囲気も際立っている。長方形のケースは手首に合わせて大胆に湾曲。デフォルメされたインデックスのビザン数字が若さと躍動を感じさせる。そんなロングアイランドも誕生20周年。これを記念した新作「ロングアイランド レリーフ」が登場した。
この名称からわかるように、ビザン数字を立体的に浮き彫りにしたことが特徴だ。そのため、文字盤の裏側から型押しする技法を導入。ケースはステンレス・スチールだが、このビザン数字はピンクゴールドカラーでデザイン。メタリックで硬質な素材に、温かみのあるピンクゴールドの色味が絶妙にマッチしている。これに呼応するように、リューズとラグ(ベルトとの接合部)のビスに18Kピンクゴールドを採用しており、ラグジュアリー感も高い。
ロングアイランドは、ニューヨークとロングアイランド島に架けられた大きく旧い橋から着想。マンハッタンを象徴する先鋭的な摩天楼と、ロングアイランドのリラックスした街並みとを兼ね備えた時計をコンセプトとして、デザインされた。フランク ミュラーといえば樽型の「トノウ カーベックス」があまりにも有名だが、こちらも2000年に発表された第2のシグネチャーモデルとして高い人気を誇る。
ロングアイランド レリーフは、このコレクションに追加された、彫りが深く艶っぽさも感じさせる新顔といえるだろう。ダイヤル中央で放射状に刻まれたギョーシェ模様が光を美しく反射する他、クラシカルなレイルウェイトラック(線路状の目盛り)も印象的。完成されたダイヤルデザインを壊さないように、6時位置の上部に小さく開けられたデイト表示が、フランク ミュラーの非凡なセンスを象徴している。
スーツの手元はもちろん、カジュアルスタイルでも洗練されたイメージにアップグレードしてくれる時計だが、秒針がないことにも注目したい。かつてビジネスで成功したニューヨーカーは、週末になると喧騒の大都市を離れて、橋の向こう側のロングアイランドの別荘でゆったり過ごしたという。そんな生活に、忙しく秒を刻む針は似合わないのである。
問い合わせ先/フランク ミュラー ウォッチランド東京
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