ペルー社会の闇をえぐり出す、ノーベル賞作家の最新作。

  • 文:今泉愛子
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『シンコ・エスキーナス街の罠』 マリオ・バルガス=リョサ 著 田村さと子 訳 河出書房新社 ¥2,750(税込)

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

ペルーのノーベル賞作家の最新作で、フジモリ政権の黒幕と言われた実在の人物に着想を得た長編小説だ。企業家のエンリケは、いかがわしい写真をネタにゴシップ誌の編集長から脅迫を受けるが、その後、編集長は惨殺死体で見つかる。犯人は誰なのか。サスペンスの面白さに加え、マイアミに別荘をもつ富裕層の暮らしぶりと退廃的な性、権力に右往左往する庶民たちの日常、腐敗した政権の裏側などペルーの世相を多層的に描いた点が見事だ。意外な結末にも爽快感を覚える。


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