
『キャット・パーソン』 クリステン・ルーペニアン 著 鈴木 潤 訳 集英社 ¥2,310(税込)
20歳のマーゴがロバートに出会ったのは、映画館でのバイト中だった。電話番号を聞かれてすんなり教えた自分に驚く。彼は30代のイケてない男だったのだ。ところがマーゴはスマホでやり取りするうちに妄想に溺れ、ついにベッドまで……。そこでようやく目が覚める。『ニューヨーカー』誌に掲載され、SNSで炎上したという表題作をはじめ、12の短編を収録。恋をすると、人は自分を主人公にした妄想を始める。暴走したらどうなるのか。登場人物たちを愚かだとは笑えない。