「トゥモローランド」がたどり着いた極上のデイリーウエアは、ニット仕立てのコットンカシミアパーカ

  • 写真:安達紗希子(CROSSOVER)
  • 文:今野 壘

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大きめのカンガルーポケットやゆったりとしたボディ、アームなど、オーセンティックなスウェットパーカのイメージをしっかりと残しているあたりが心憎い。フードのドローコードは長めで、エンドにメタルパーツをあしらった都会的なデザイン。パーカ¥42,120(税込)

1978年7月20日はトゥモローランドが設立された、いわば誕生日。そんな歴史あるセレクトショップが昨年、40年という節目に満を持して設立したブランドが「キャバン」です。国内外の良品をいち早く買い付け、「ドリス ヴァン ノッテン」や「アクネ ストゥディオズ」、「イザベル マラン」など実力派デザイナーズが日本におけるパートナーとして指名していることからも同社のセンスのよさはお墨付き。その実力を存分に発揮したのがこの新ブランドというワケです。ここで取り上げたパーカは、昨年春夏のデビューコレクションから継続している定番で、カシミアを混紡したコットンの肉厚なボディが、ただのカジュアルウエアとはまた違った品格を醸す1着。そもそもこのパーカ、素材がスウェットではなく実はニット。それを二重組織で仕立てることにより、ヴィンテージのスウェットパーカのような程よいウェイトをもたせています。シルエットもレトロモダンな大きめの設計で、ジャストサイズを選んでもゆったりとしたバランスに。普段よりもオーバーサイズを選んでボリューム感を楽しむのも一興です。古着にはない綺麗なイエローの発色は、どんなサイジングで取り入れても装いを洗練させてくれるはず。一見スタンダードでも実は遊び心が詰まっていて、どこかクラシックなのにモダンに着こなせる。40年以上にわたって磨き抜かれた審美眼は、やっぱり伊達じゃありません。

ニット素材なので、ボディとリブの境界は縫製ではなく編み方を変えることで表現されています。ステッチが入らないので、スウェットに比べてカジュアルさはやや控えめに。厚みのあるボディのドレープ感が美しい。

かなり大きめに設定されたフードは、バックシルエットでもインパクト大。ゆったりとした全体のシルエットとのバランスを取りつつ、アクセントにもなっています。

問い合わせ先/キャバン 代官山店 TEL:03-5489-5101