クラフト? アート? 靴デザイナー・勝川永一の新作白革シリーズは、履き心地にもワザあり!

  • 文:高橋一史

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3足のシューズは「エイチ.カツカワ」の新作シリーズ「HONESTY WHITE」。

自身の名を冠するシューズブランドのデザイナーであり、リペアショップ「THE SHOE OF LIFE」を東京・池尻大橋に構える勝川永一。ヴィンテージのようなクラフトと「アート」の領域とを行き来する彼の新作が登場しました。アッパーからソールまで白で揃えられた、ローファー、プレーントゥ、チロリアンの3足です。命名されたシリーズ名は、「オネスティ・ホワイト(HONESTY WHITE)」。

ドレッシーな革靴とスニーカーの中間に位置するシューズです。中底にスポンジが仕込まれており、クッション性が良好。アウトソールが交換可能な、グッドイヤーウェルテッド製法でつくられています。そのアウトソールには、イタリア・エクストラライト社の樹脂ソールを使用。ワークシューズの見た目と歩きやすさが同居する、クリーンな見た目にふさわしい軽快なシューズです。

しかもこうした機能美だけで終わらせないのが、勝川のやり方。革のインソールには、小石を撮った写真がプリントされています。靴を置いた時の佇まいは、まるでインテリアのよう。都市部の自然の風景写真を革にプリントするという彼のアート活動が、しっかりと靴に込められています。さらに、アッパーの素材にも大きなこだわりが。現代の靴にはほぼ使われない、凹凸のある毛穴が特徴的な豚革(ピッグスキン)が用いられています。しかもこの豚革は、東京で生産・製造されたもの。

プレーントゥとチロリアンには、グレーのキルトが付属し、付け外して表情の変化を楽しめます。なにげないようでいて、実は奥深いモノづくりが息づくシューズをぜひお手元に。

プレーントゥとチロリアンに付属のキルトを付けた様子。どれも伊勢丹新宿店メンズ館で取り扱いあり。サイズは24.5〜27cmのハーフ刻み。各¥63,720(税込)

上品ながら、ワークシューズに近いカジュアルなシューズ。豚革ならではのマットでザラついた質感も大きな魅力です。

取り外し式のキルトが付属するチロリアン。ライナーの小石の写真は、東京・二子玉川の河川で撮影されたもの。

エイチ.カツカワのウェブストアで限定発売中の手づくり革ポーチ。ファスナー面が白で裏面が小石プリント(右)、ファスナー面が小石プリントで裏面が白(左)、オール白(掲載なし)の計3種があります。(サイズは12✕9cm)。各¥7,560(税込)

デザイナーの勝川永一。イギリスのブランド、ポール ハーデンで靴づくりを学んだ職人でもあります。

●伊勢丹新宿店メンズ館地下1階=紳士靴
TEL:03-3352-1111(大代表)

H.KATSUKAWA
http://hkatsukawafromtokyo.net