世界中で愛される子グマのすべてがロンドンからやってくる! 生誕60周年展でパディントンの世界を満喫しよう。

  • 文:内山さつき

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アイバー・ウッド画  商品化のためのアイデア画 1970 年代後半  Illustrated by Ivor Wood © Paddington and Company Ltd 2018

世界各国の子どもたちに愛され、読まれ続けているイギリスの児童文学『パディントン』シリーズ。その生誕60周年を記念して、『くまのパディントン展』がBunkamura ザ・ミュージアムで2018年4月28日から開催されます。

「どうぞこのくまのめんどうをみてやってください。おたのみします」こんな札を首から下げ、駅のプラットホームに佇んでいた子グマ。これが『パディントン』シリーズの主人公である、クマのパディントンと、その後、彼の面倒を見ることになるブラウン夫妻との出会いでした。帽子を被り、ペルーからたった一匹でやってきたというその子グマが立っていたのはロンドンの地下鉄のパディントン駅。それゆえ子グマは「パディントン」と名付けられました。

作者のマイケル・ボンドはこのプロローグについて、第二次世界大戦のロンドン空襲によって郊外に逃れた子どもたちが名札を付けて駅をさまよっていた光景が忘れられず、平和への願いを込めてクマのパディントンが心優しい家族に拾われるエピソードを描いたと語っています。ロンドンを舞台に、ブラウン夫妻とふたりの子どもたち、パディントンが繰り広げるユーモアに満ちた物語は大人気となり、多くのシリーズが生まれ、絵本やアニメーション、映画や各種グッズなどにも展開されています。

本展では、児童書の挿絵でお馴染みのペギー・フォートナムの原画や、絵本の原画、4コマ漫画など、絵本作家やイラストレーターが描いたさまざまなパディントンが勢揃い。ドイツのシュタイフ社がつくった、ファンにはたまらない貴重なぬいぐるみも展示されます。また、17年6月に亡くなった作者のボンドに取材した特別映像も見どころのひとつです。作品内で描かれているロンドンの名所やイギリスの文化も併せてたどりながら、パディントンの世界を堪能してください。

ペギー・フォートナム画  『くまのパディントン』の挿絵原画 1958 年 Illustrated by Peggy Fortnum © Paddington and Company Ltd 2018

フレッド・バンベリー画  絵本『パディントンのかいもの』の原画 1973 年  Illustrated by Fred Banbery © Estate of Fred Banbery/HarperCollins 2018


クラシック・パディントン  ガブリエル・デザインズ社製(イギリス) 1980 年  © P&Co. Ltd. 2018

『生誕60周年記念 くまのパディントン™展』

開催期間:2018年4月28日(土)~6月25日(月)
開催場所:Bunkamura ザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
TEL:03-5700-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時(月~木)  10時~21時(金、土) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:5月8日(火)、6月5日(火)
入場料:一般¥1,400(税込)
www.bunkamura.co.jp