最新号のPenは、古くから東西文化の交差点であり、世界に影響を及ぼしてきた地域、アラブの大特集です。アラビア半島とアフリカ北部の乾燥地域に帯状に広がるアラブ圏で、四大文明のうちふたつが興り、16億人以上が信奉するイスラム教が誕生しました。今回は、アラブで生まれたり集積していった古今の美しいもの、優れたものにフォーカス。古代から現代まで、アラブ世界の豊かな文化を紹介します。中東の政治・ビジネス状況のみならず、1月23日より東京国立博物館 表慶館で始まる『アラビアの道─サウジアラビアの至宝』展でアラブ世界への注目がひと際高まるいま、必読の特集です。

まずは昨年11月に、ルーヴル美術館の協力を得てアラブ首長国連邦にオープンしたルーヴル・アブダビ。日本メディアではPenがいち早く取材しました。美術館としての新しい理念やジャン・ヌーヴェルによる斬新な建築を紹介します

次に、イスラム教誕生以前から育まれたアラブの美の本質を、日本学術振興会カイロ研究連絡センター長 深見奈緒子さんに解説していただきました。アラブ地域を中心にイスラム建築の特徴や、迷路のような街の成り立ち、住宅のスタイルを写真や図とともに説明。現代建築では、SF映画に登場するような超高層ビルも登場します。

さらに、聖地メッカ周辺に残された美しい墓石群、100万年以上前にまで遡る有史以前の遺物など、研究者も高い関心を寄せるアラビアの知られざる文化を紹介します。アラブの美と出合える世界のミュージアム情報や、現代のカルチャーや社会がわかるアラブ圏のヒット映画、そして食・香り・雑貨などライフスタイルまでアラブの魅力を満載。遠いと感じていたアラブが、ぐっと身近に感じられるはずです。