2017年の「グッドデザイン賞」が決定! しかもいまなら、あなたも大賞選考に参加できます。

  • 文:小川彩

Share:

大賞候補の一つ、インパクトあるネーミングとコンテンツで話題となった「うんこ漢字ドリル」(文響社)。学習を“作業”から楽しむものに、という目線に共感が集まった。

2017年度の「グッドデザイン賞」が決定しました! 10月4日(水)に発表されたのは、グッドデザイン賞、グッドデザイン・ベスト100、ロングライフデザイン賞。さらに11月1日(水)に発表となる「グッドデザイン大賞」候補に選ばれた7つのデザインがお披露目され、丸の内の「GOOD DESIGN Marunouchi」で同日から展示がスタートしています。

毎年応募数が増えているグッドデザイン賞ですが、記者会見で永井一史審査委員長が「デザインそのものが社会に広がっている表れ」とコメントしたように、今年も多岐にわたる分野から4500件近くのエントリーがあり、約1400件が受賞しました。近年は、きちんと背景を読み解かないと真価を判断しづらいもの、言い換えればていねいに、緻密に設計されたデザインが増えていますが、特に今年は情報や流通など、見直しが必要となっている社会インフラのジャンルでの受賞デザインが印象に残りました。

7つの大賞候補の顔ぶれも多彩です。多くの人が「こうなったらいいな」と感じているような、身近な社会の課題にきちんと目を向けていること、テクノロジーとデザインのバランスが取れていること、そして少し先の未来を見せてくれていることなどが、いずれのデザインにも共通しているように思えます。

大賞候補のデザインは発表までのあいだ、東京・丸の内の「GOOD DESIGN Marunouchi」で展示されています。各デザインの背景や仕組みを知ることができるだけでなく、実際に触れ、操作できるものもあります。年々デザインの奥行きが深くなり、ぱっと見ただけでは真価を判断しにくくなっているだけに、大賞候補の背景をきちんと噛み砕いて解説している機会は貴重かもしれません。

昨年に続いて、来場した方々は「これこそ大賞!」と思ったデザインに投票が可能です。その1票は、11月1日(水)に開催される選考会に反映されます。じっくり展示を楽しんだら、ぜひ今年のグッドデザイン大賞選考にあなたも参加してみてください。

小学校で習ったリコーダーさえ吹ければ、サクソフォンのような音色を奏でることができる、夢のような管楽器「Venova」(ヤマハ)。同じくグッドデザイン大賞候補のひとつ。(以下同)

さまざまな平滑面に投写した映像を操作したりタッチすることが可能な、まったく新しいスマートプロダクト「Xperia Touch」(ソニー+ソニーモバイルコミュニケーションズ)。

東日本旅客鉄道によるクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」。ハイブリッド車両というハードと、列車の旅というソフトの両面を追求した点にも注目したい。

「Micra™️」は世界最小のまったく新しいペースメーカー。従来必要だった外科手術や、感染症の原因となるリードが不要に。患者の心理的負担を軽減する課題に挑んだ。

SALHAUSによる「陸前高田市立高田東中学校」は、東日本大震災で被災した3つの中学校を統合した新校舎。地域社会に開かれた設計が評価された。

生産者のモティベーションを立て直し、農業の魅力をつくることを最大の目標とした、BtoBベースの流通システム「SEND」(プラネットテーブル)。

東京・丸の内のGOOD DESIGN Marunouchiでは、10月28日(土)まで「みんなで選ぶグッドデザイン大賞」が開催されています。

GOOD DESIGN Marunouchi
東京都千代田区丸の内3−4−1 新国際ビル1F
TEL:03-6273-4414
営業時間:11時〜20時
www.g-mark.org/gdm/exhibition.html