アラーキーの個展で幕を開けた、東京&ロッテルダムに同時オープンしたギャラリー「CASE」とは?

  • 文:山下紫陽
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荒木経惟『愛の劇場』1965年頃 B & W プリント ©︎Nobuyoshi Araki

写真や現代美術、デザインなど多彩なアートブックをリリースしている出版社、CASE Publishingを運営するCASE。アートブックを多様な文化のプラットフォームにすることを目指し、表現としてのアートブックを追求してきました。そんなCASEが次なる展開として、東京に「CASE TOKYO」、オランダのロッテルダムに「CASE ROTTERDAM」と、ふたつのギャラリースペースをオープン。東京のオープニング展として荒木経惟の『愛の劇場』が、また、ロッテルダムでは香港を拠点に活動する写真家、チャン・ディックの『Chai Wan Fire Station』の刊行に合わせた展覧会が開催されています。

CASEの本拠地である東京はともかく、ロッテルダムという場所にスペースを構えた背景には、英語圏ではないエリアの人たちにCASE Publishingのアートブックを紹介したいということや、オランダが欧州全土の物流網の中心であり、ビジネス展開をしやすいということがあるそう。ロッテルダム自体、美術館やギャラリーが多く、アーティストやデザイナーが集まるクリエイティブな空気が漂う街でもあります。

ふたつのギャラリーのアートディレクションを担当したのは、美術館のデザインや装丁などを手がける一方、アートユニットNerholでも活動する田中義久。空間や什器のデザインを手がけたのはデザイン・設計事務所のDAIKEI MILLS。印刷物やプラットフォームをイメージさせる配送用パレットから展開された什器は、展示内容に合わせて変えられるようになっています。

「CASE TOKYO」のオープニングの展示『愛の劇場』は、荒木経惟が電通に勤務していた1965年前後に撮影したキャビネ判作品によって構成されており、2011年にタカ・イシイギャラリーで開催されたもの。今回は、約150点におよぶこのシリーズを収めた写真集の刊行に合わせ、全作品を展示します。

今後はCASE Publishingの書籍刊行に合わせた展覧会を1カ月半に1度のペースで行いながら、シンポジウムやレクチャー、ワークショップなどを開催、各地のコミュニティに根ざした文化交流の場をつくり上げて行きたいというから楽しみです。

チャン・ディック『Chai Wan Fire Station』シリーズからの1点 ©︎Chan Dick

空間・什器デザインを手がけたのはDAIKEI MILLS。可変性のある什器は配送用パレットから展開。


荒木経惟 『愛の劇場』 CASE Publishing ¥6,912(税込) 

CASE TOKYO オープニング展『荒木経惟 愛の劇場 』

開催期間:2017年9月30日(土)〜11月11日(土)
開催場所:CASE TOKYO
東京都渋谷区渋谷2-17-3
開催時間:11時~19時
休廊日:月、日、祝
会期中入場料無料
http://case-publishing.jp

CASE ROTTERDAM オープニング展『Chan Dick Chai Wan Fire Station』

開催期間:2017年9月29日(金)~11月19日(日)
開催場所:CASE ROTTERDAM
Katendrechtse Lagedijk 489A 3082 GD Rotterdam Netherlands
開催時間:12時〜18時(水~土)、火は要予約
休廊日:月、日
会期中入場料無料
http://case-publishing.jp