エクストラヴァージンオリーブオイル、ドライトマト、ケイパー、そしてワイルドフェンネルシードやハーブのブーケ。扉を開けたとたんに地中海の香りに包まれるシチリア食材専門店「セドリック・カサノヴァ」が、この9月に東京・表参道にオープンしました。店名は共同経営者のひとり、パリ生まれでシチリアにルーツを持つセドリック・カサノヴァの名前です。
セドリックはパリでも同様の食材店「ラ・テット・ダン・レゾリーブ」を運営。“オリーブのことで頭の中は一杯!”というフランス語通り、シチリアの生産者によるエクストラヴァージンオリーブオイルを伝えたい、という思いの詰まったお店は、食材への探究心旺盛なシェフや市民に支持されているそう。エクストラヴァージンオリーブオイルだけでなく、シチリアの風土でしか生まれない野菜やハーブの加工品のプロデュースも手掛けているセドリック。ただ単に美味しさだけでなく、農家によって、そして畑によって収穫されるオリーブや農産物の個性が違うこと。それがオイルや加工品に反映された時に生まれる感動をぜひ味わってほしい、という強いパッションを持って東京にショップをオープンしたのです。
エクストラヴァージンオリーブオイルは青草や青リンゴのフレッシュな香りのものが中心。フレッシュサラダ、生魚のカルパッチョや貝の酒蒸しに合わせたくなります。魚介類のマリネやパスタにと重宝するのは塩漬けのケイパー。ドライハーブのブーケは、料理好きの方への気の利いたプレゼントにぴったりです。
ぜひ体験したいのは“ターブル・ユニーク”という予約制の小皿料理のコース。着席してオリーブオイルの品種や畑による違いをバゲットで味わったり、炊きたてのご飯にケイパーとオリーブオイルを混ぜたものなど、ユニークな提案を体験できるので、何人かで意見を交わしながら楽しむのが良いかもしれません。おなじみのイタリア食材の新しい使い方を発見したり、味わいの印象がアップデートされるはずです。すでにシェフや食のプロたちを虜にしている香り豊かなエクストラヴァージンオリーブオイルだけでなく、トマトソースやドライトマト、土着品種の全粒粉小麦のパスタなど、セドリックが地元の小規模な生産者と試行錯誤しながら育てた味わいをぜひ楽しんでください!(小川彩)