過程が見える「本」の展示が行われます。「GRAPHIC ASSEMBLAGE by TAMOTSU YAGI—八木保のアッサンブラージュ」開催中!

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    Photo: Yoshihiro Makino

    デザイン界の第一線で活躍する八木保さんはご存じでしょうか?
    国際的なカジュアルファッションブランド「エスプリ」のアートディレクターとして渡米してから現在まで、アメリカを舞台に活躍する彼は、世界的に高い評価を受ける注目の人物。そんな彼が2011年に出版した「THE GRAPHIC EYE of TAMOTSU YAGI―八木保の選択眼」の製本前の段階の校正刷りと、書籍内の作品や関連のオブジェをひもづけながら展示しようという試みが、京都工芸繊維大学 美術工芸資料館にて行われています。

    書籍の校正刷りをリサイクルして、全て手作りで作成した3 バージョンの特装本が展示。それぞれの特装本に綴じられる、印刷物やオブジェクトも同時に公開され、展示を見れば作品ができるまでのプロセスや八木さんの手法を垣間見ることができるよう構成されています。自身が今まで保管してきたもの、再利用したもの、手で貼り付けた印刷物で作られた、積み上げられたオブジェのような視覚的な仕掛けは、大量生産やパソコン上では感じることのできない、唯一無二の作品。「創る」ことそのものを考えさせられる今展示ですが、そもそも出版前の書籍を見ることが出来るチャンスはなかなかありません。本がどのような構造になっているのか、それを知るだけでも新鮮な感動が得られるでしょう。

    時代が進み、パソコン上で何でもできると思われがちな今、手が加えられたリアルなものが持つ存在感とそのおもしろさをぜひ再度感じてみてください。(Pen編集部)

    GRAPHIC ASSEMBLAGE by TAMOTSU YAGI—八木 保のアッサンブラージュ

    開催期間:11月23日(月)~28日(土)
    京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
    京都市左京区松ヶ崎橋上町1
    開館時間:10時〜17時(入館は16時30分まで)
    TEL 075-724-7383
    http://www.museum.kit.ac.jp/