最近のマツダデザインに、“勢い”があるワケとは?

  • 文:Pen編集部
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今年、マツダ・ロードスターはドイツの権威あるデザイン賞「レッド・ドット・アワード2015」のベスト・オブ・ザ・ベストを受賞。ミッドタウンのブースの前を通る人々にも注目されていた。

25日まで東京ミッドタウンで開催されていた「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2015」。ここに自動車メーカーとしてマツダが参加していました。そこで発表されたのは新しいクルマではなく、自転車やソファ、そして日本伝統の銅器や漆箱でした。

これらのプロダクトはクルマをデザインし、つくっているだけでは生まれない感性を磨くためのものです。「Sofa by KODO concept」はミラノ在住のクリエイティブディレクターと組み、イタリアの職人と製作したもの。無駄を徹底的にそぎ落とし、座り心地を追求したものだそう。

同じように自転車も極限まで美しさを追求したカタチ。それでいてフレームは熟練の社内の板金職人が手がけた完全なハンドメイド。金属の板をハンマーで叩くことだけで自転車のフレームをつくりあげています。

ソファや自転車以外にも日本の伝統美の銅器や漆器ともコラボレーション作品を生み出し、美しいデザインとは何か? 日本の伝統美とは何か? を社内で煮詰めていっているそうです。こうした取り組みがあるからこそ、いまのマツダデザインは、人々を惹きつけるのかもしれません。現在開催中の東京モーターショーではさらに新しいマツダデザインが披露されています。さらなる美しいマツダデザインに今後も期待大!です。

一枚の鉄板を職人が板金し、フレームを制作した「Bike by KODO concept」。サドルのステッチにもこだわっている。

イタリアの家具職人と組んで製作した「Sofa by KODO concept」。フォルムの曲線美が最近のマツダ車デザインに通じる。

マツダとのコラボレーションアート。燕市に拠点のある玉川堂作が製作した「魂銅器」。こうした日本の美とのコラボレートが新しいデザインソースになるそう。

広島の金城一国斎作の「白糸」。塗り重ねた漆の上に細かく砕いた卵の殻をひとつひとつ貼りこんだ作品で、その透明感も魅力。