不思議でおもしろい、ナンセンスな世界へようこそ! 「長新太の脳内地図」展が開催中です。

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    長新太『おしゃべりなたまごやき』(福音館書店)1972年

    「ナンセンスの神様」という異名をもつ、漫画家で絵本作家の長新太。親しみやすく可愛らしい絵とは裏腹に、奇想天外なストーリーは読み手を翻弄させる不思議な魅力に満ちています。没後10年を迎えた今年、横須賀美術館で「長新太の脳内地図」展が9月12日(土)〜11月3日(火・祝)の会期で開かれます。

    展示は2部構成からなり、「第1部 イマジネーション」では、時に不条理な展開で、あっという間に現実の世界から隔離された不思議なイマジネーションの世界へと誘います。「巨大な…」「イカとタコ」「ライオン」「変身」の4つのテーマから、その発想の源を探ります。

    「第2部 センスとナンセンス」では、長新太の代名詞ともいうべきナンセンスの秘密を「長新太の絵本づくり」「漫画——線の表現」「ナンセンス」「ちへいせんのみえるところ」「快と怪」「記憶」の6つのテーマから紐解いていきます。

     展覧会では、幼稚園や保育園、図書館で出会った絵本の原画のほか、未発表のダミー本や貴重な遺品も展示されます。300点以上の作品が一堂に集まるのも本展覧会の見どころのひとつ。そのほか、会期中には講演会、ワークショップ、親子向けトーク、学芸員によるギャラリートークも開催する予定です。詩人の谷川俊太郎は、長新太のナンセンスを評して「言語の皮膜を取り去った本当の現実の手触り」と語りました。

    長新太の脳内を覗き込むような本展覧会で、あなたもナンセンスの世界に翻弄されてみませんか?(阿部博子)

    長新太『ごろごろにゃーん』(福音館書店より)1976年 宮城県美術館蔵

    長新太『キャベツくんのにちようび』(文研出版)1992年 ちひろ美術館寄託

    没後10年「長新太の脳内地図」展

    開催期間:〜11月3日(火・祝)
    横須賀美術館
    神奈川県横須賀市鴨居4-1
    開館時間:10時~18時
    休館日:10月5日(月)、11月2日(月)
    www.yokosuka-moa.jp/exhibit/kikaku/1503.html