国民的おやつのひとつである「カステラ」。もとをたどると16世紀、ポルトガル人宣教師たちにより伝えられたポルトガル菓子”パォン デ ロー”が原型といわれています。
それから500年を超える時を経て、日本で独自に進化したカステラを「ポルトガルに里帰りさせたい」と、パティシエのパウロ・ドゥアルテさんが外国人としては初めて長崎の老舗「松翁軒」で修業し、故郷リスボンに菓子店を構えたのが1996年のこと。そして今春、ポルトガル菓子研究家である妻の智子さんの出身地、京都は北野天満宮の近くにポルトガル菓子専門店「カステラ・ド・パウロ」をオープンさせました。
もと造り酒屋の蔵を改装した店内では、イートインが可能。カステラはもちろんのこと、ポルトガルの地方によって味わいが異なるパォン デ ローが3種類ほど愉しめるほか、エッグタルトや干し鱈のコロッケ、チキンパイなど伝統菓子がずらり。ポルトガルのカフェでは、羊の熟成チーズやカマンベールをのせたパォン デ ローをポートワインやマディラ酒とともに味わうのが定番だそう。哀愁漂うファドを聴きながら、ワインとともにスイーツもいただくのもオツなものです。(Pen編集部)
京都・北野天満宮の大鳥居横にある、造り酒屋の蔵を改装した店。
3種類のパォンデローとカステラ盛り合わせ、ポートワインの食文化比較体験セット。ビッカ(エスプレッソ)やガラオン(カフェオレ)に変更可。¥1,080
カステラ・ド・パウロ
京都市上京区御前通り今小路上がる馬喰町897蔵A
TEL:075-748-0505
営業時間:9時30分~18時
定休日:水曜日・第3木曜日(25日が水曜日と重なる場合は翌日休み)
http://castelladopaulo.com/