1950年代のパリで活動したアーティスト、金山康喜の作品が早春の葉山に集います。

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    『アイロンのある静物』1952年 油彩、カンヴァス 東京国立近代美術館蔵

    1950年代にパリへと渡り、画家の道を志した金山康喜というアーティストをご存知でしょうか?

    1926年大阪に生まれた金山は、東京大学大学院で学びながら、油絵に傾倒していきました。卒業後は、戦後初の留学生として経済を学ぶ目的でパリへと渡り、ソルボンヌ大に通いながら絵画制作を続け、若手の登竜門として知られるサロン・ドートンヌにも出品。モチーフを目の前に置いて描きながらも、見たままの表現にとどまらない「具象」という表現ジャンルで、パリでも注目を集める存在になっていきました。しかし、29歳のときに結核に。療養を経てふたたび制作を開始するも、59年、33歳の若さで急逝することとなります。 

    関東圏では、これまであまり紹介される機会のなかった彼ですが、このたび日本各地から約70点の作品が集められ、貴重な展覧会が神奈川県立近代美術館 葉山にて開催されます。しかも今回は同時期にパリに滞在した、野見山暁治、佐野繁次郎、田淵安一、藤田嗣治ら、金山と親交のあった画家たちの作品約70点がともに展示されることに。

    覚めるような“青”を基調に描かれた、静けさと繊細な温かみを感じさせる金山の作品。早春の葉山で、心ゆくまで楽しんでください(Pen編集部)

    金山康喜のポートレート(撮影:野見山暁治)

    金山康喜のパリ―1950年代の日本人画家たち
    1月24日(土)~3月22日(日)

    神奈川県立近代美術館 葉山
    神奈川県三浦郡葉山町一色 2208-1
    TEL:046-875-2800
    開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
    休館日:月曜(祝日および振替休日の場合は開館)
    入場料:一般¥1,000
    www.moma.pref.kanagawa.jp