映画「12-12-12 ニューヨーク、奇跡のライブ」で考える、いますべきこと。

    Share:

    ハリケーン「サンディ」の被災地救済コンサートで声援にこたえるポール・マッカートニー(中央)と「サンディ」時の救助に活躍した消防士・警察官たち。

    この映画は、2012年12月12日にNYのマディソン・スクエア・ガーデンで実施されたチャリティーコンサートの実録です。同年10月にアメリカ東海岸に大打撃を与えたハリケーン「サンディ」の被災地救済のため、多くのミュージシャンたちが立ち上がったのです。名を連ねるのは、ポール・マッカートニー、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、エリック・クラプトン、ビリー・ジョエル、アリシア・キーズ、コールドプレイのクリス・マーティン、元ニルヴァーナのメンバーなど、総勢16組のアーティスト。さらに88名の著名人が参加し、結果史上最大規模のイベントとなりました。

    映画の中で、彼らは、ハリケーン「サンディ」に「クソくらえ」と歌い上げ、現地で救助にあたった消防団や清掃員らをヒーローとして讃えました。そして、声高らかに、笑って未来への架け橋を描いてゆきます。リーダー的役割を担うのは、ポール・マッカートニーやストーンズといった大御所で、しかもアメリカへのチャリティーを仕切る自らを「僕たちイギリス人なんだけど」と笑い飛ばしています。

     我が国でも、痛ましい事故の傷跡は癒えるどころか、いまだ問題は解決していません。事故直後、お祭り騒ぎのような消費活動は自粛され、事故に関するコメントが禁句であるかのような空気さえ流れたように思います。「サンディ」と我々の置かれている現状は異なるので、同じ振るまいや状況が当てはまるとは思いませんが、いいたいことは口にし、それに対して議論をし、賞賛すべき人やものは賞賛し、なにより年齢や国を超えて自主的にそれぞれが助け合うことの大切さ、そして「笑顔のパワー」を、このライブ映像は教えてくれます。

    「ひとりで歌っても何の意味もないけれど、ステージで歌うと金になる。だから俺は出る」。リハーサル時にビリー・ジョエルが言ったひとことは、実に明確で、プロとはどういうことであるのか、そしてそのプロとして自分が動くことの効果を知ることは大切であることを素直に伝えます。笑門来福。この映画を観て、今年来るべき困難をどう乗り切りますか? 笑いを絶やさず、パワフルに乗り越えてほしいと思います。(Pen編集部)

    ボン・ジョヴィのライブの模様。ブルース・スプリングスティーンと共演したほか、『It's My Life』 『Wanted Dead or Alive』を演奏した。

    ギターを弾くブルース・スプリングスティーン(左)。アメリカで100年に1度といわれる大災害をもたらした「サンディ」は、ニューヨーク州およびニュージャージー州を中心に800万世帯を停電させ、132名の死者を出すなど、大きな損害をもたらした。被害額は8兆円規模といわれている。このチャリティーコンサートでは、1晩で約54億円もの復興基金を集め、現在もウェブなどを通して資金援助を求めている。

    『12-12-12 ニューヨーク、奇跡のライブ』

    製作総指揮:ポール・マッカートニー
    監督:アミール・パーレフ、チャーリー・ライトニング
    出演:ポール・マッカートニー、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・フー、エリック・クラプトン、ビリー・ジョエル、アリシア・キーズほか
    2013年 アメリカ映画 1時間46分 配給:トランスフォーマー
    1月16日(金)~TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国順次ロードショー