「ウルトラマンと怪獣をデザインした男」、成田 亨の展覧会を福岡で開催。

    Share:

    左、『ウルトラマン初稿』1966年 青森県立美術館蔵 右、『ウルトラセブン初稿』1967年 青森県立美術館蔵

    左、『ケムール人』1965年 青森県立美術館蔵 右、『テーバス中尉/テーフン中尉』1976年

    初期のウルトラヒーローや怪獣・宇宙人をデザインした美術家の回顧展『成田 亨 美術/特撮/怪獣』が、1月6日から福岡市美術館で始まります。

    成田 亨(なりたとおる 1929年~2002年)は青森県出身で、武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)で学んだ彫刻家でした。美術学校在学中に映画『ゴジラ』(1954年)の製作現場を手伝ったことをきっかけに特撮映画の世界に入り、1966年~68年に放映された『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』のヒーロー、怪獣からメカやセットのデザインまでを引き受けました。当時、巨大化したクモやカメなどが「怪獣」の主流だったなかで、「ウルトラマン」や「バルタン星人」「カネゴン」「ガラモン」「ケムール人」など、世代を超えて親しまれる個性的なキャラクターを生み出したのは、成田が同時代のモダンアートを吸収して培った造形センスによるところが大きかったといわれています。

    回顧展では青森県立美術館所蔵のウルトラ関係デザイン原画187点をはじめ、未発表の怪獣デザイン原画や絵画・彫刻、実現しなかった企画案を含む総点数700点を展示し、成田の作品に迫ります。ウルトラ・ファン垂涎のこの展示ですが、富山県立近代美術館、福岡市美術館、青森県立美術館の3館が共同企画した展覧会のため、残念ながら3大都市圏などで行われる予定はないようです(富山の展覧会はすでに終了、2015年4月~6月に青森に巡回予定)。近隣にお住まいでない方は旅程を組んで、お見逃しのないようお出かけください!(Pen編集部)

    『ウルトラマンマスク』(制作:佐々木明)1966-67年

    上左、『クラッシュホーン』1980年代 上右、『ダダ』1980年代 下、『カネゴン』1993年

    ウルトラ怪獣らをデザインした成田 亨。その後、芸術家として再出発。近年改めてその芸術性が見直されている。

    『成田 亨 美術/特撮/怪獣』
    2015年1月6日(火)~2月11日(水・祝)

    福岡市美術館
    福岡市中央区大濠公園1‐6

    TEL:092-714‐6051
    開館時間:9時30分~17時30分 (入場は閉館の30分前まで)
    休館日:月、1月13日(火)[1月12日(月)は祝日のため開館]
    料金:一般¥1,200 大学・高校生 ¥800 小中学生以下無料
    www.fukuoka-art-museum.jp/narita/

    記念講演会:
    福岡市美術館講堂
    各定員240人

    1.成田流里氏(成田亨夫人)・成田カイリ氏(俳優)
    1月6日(火)14時~

    2.椹木野衣氏(美術評論家、多摩美術大学教授)
    1月17日(土)14時~

    3.村上隆氏(アーティスト) ※事前申し込みが必要です
    1月31日(土)14時~
    「芸術家の誕生までの不思議―成田亨の場合」

    巡回情報:
    青森県立美術館 2015年4月11日~6月7日