1978年に、18歳の中沢けいによって発表された小説『海を感じる時』を映画化したのが本作です。第21回群像新人賞を受賞、当時は現役女子高生が赤裸々に性を描いたスキャンダラス文学として一躍脚光を浴びました。
本作は、設定は70年代のままに、主人公の高校生・恵美子が、同じ高校の新聞部の先輩・洋と突然身体の関係をもつことから始まります。「決して君が好きな訳じゃない。ただ、キスがしてみたい」「女の人の身体に興味があっただけ。君じゃなくてもよかった」と告げる洋は、恵美子に迫ります。
幼いころに父親を亡くし、母親に厳格に育てられ、愛を知らずに育った恵美子は、それでも洋を受け入れ、求め、自ら身体を差し出していくのですが、当然ながらその中で、想いのない関係に寂しさをつもらせ、そして同時に、「女」という性に目覚めていきます。
118分のほぼ全編をふたりのセックスシーンで埋め、寡黙ながらも、力強く問題提起をする本作ですが、小説が描かれた36年前と、男と女の関係は変わったのか? ある意味、”解放”されたと言える現代の性は、心を満たすものとして進化しているのか? 性に対して、精神や道徳が負けることは罪か否か? など、疑問は尽きることなくわき上がります。(Pen編集部)
本作は、設定は70年代のままに、主人公の高校生・恵美子が、同じ高校の新聞部の先輩・洋と突然身体の関係をもつことから始まります。「決して君が好きな訳じゃない。ただ、キスがしてみたい」「女の人の身体に興味があっただけ。君じゃなくてもよかった」と告げる洋は、恵美子に迫ります。
幼いころに父親を亡くし、母親に厳格に育てられ、愛を知らずに育った恵美子は、それでも洋を受け入れ、求め、自ら身体を差し出していくのですが、当然ながらその中で、想いのない関係に寂しさをつもらせ、そして同時に、「女」という性に目覚めていきます。
118分のほぼ全編をふたりのセックスシーンで埋め、寡黙ながらも、力強く問題提起をする本作ですが、小説が描かれた36年前と、男と女の関係は変わったのか? ある意味、”解放”されたと言える現代の性は、心を満たすものとして進化しているのか? 性に対して、精神や道徳が負けることは罪か否か? など、疑問は尽きることなくわき上がります。(Pen編集部)
『海を感じる時』
監督:安藤 尋
出演:市川由衣、池松壮亮
2014年 日本映画 1時間58分
配給:ファントム・フィルム
9月13日(土)からテアトル新宿にてロードショー
http://umiokanjirutoki.com