国家、人種、宗教などが人々をカテゴライズするいまの社会システムが崩壊したら、どんな社会が新しく構築されるのでしょうか? 映画『ダイバージェント』は、最終戦争から100年後の近未来が舞台です。そこでは過去の経験から、5つのファクション(共同体)に人々は分類され、一生をその共同体が持つ役割に奉仕することが定められ、他の共同体と交わらず群れて暮らしています。5つのファクションとは、勇気あるものが集い、治安と秩序を統治する警察的な存在である「勇敢(dauntless) 」、正直ものが集い、司法を司る「高潔(candor)」、おもいやりのあるものが集い、政治を司る「無欲(abnegation)」、優しいものが集まり、食物を供給する「平和(amity)」、そして知的なものが集い、研究を生業とする「博学(erudite)」です。
主人公のベアトリスは、質素に暮らし、つねに他者のために奉仕する「無欲」の家に生まれ、育てられ、その暮らしに疑問を抱いていました。そして、人生で一度だけ、自らファクションを選択できるときを迎えます。彼女が選んだのは、「勇敢」でした。そこで待っていたのは、穏やかないままでの暮らしとは真逆の、戦いにそなえ、身体を極限まで磨き上げ、叩き上げる暮らしでした……。
作品名『ダイバージェント』は、本作のなかでは「異端者」と訳されています。ベアトリスは、実は「異端者」でした。異端者たちはなぜ、異端と定義されるのか?異端者たちは、何をしようとする存在なのか? その謎は、徐々に明らかにされるのですが、全4部作のプロローグとなる本作は2時間19分で、まったくの別社会にどっぷり頭を浸すのには充分。今後のスリリングな展開が待ちきれないほどに、鮮やかに、巧みに近未来を描きだします。SF好きにはたまらない1本です。(Pen編集部)
主人公のベアトリスは、質素に暮らし、つねに他者のために奉仕する「無欲」の家に生まれ、育てられ、その暮らしに疑問を抱いていました。そして、人生で一度だけ、自らファクションを選択できるときを迎えます。彼女が選んだのは、「勇敢」でした。そこで待っていたのは、穏やかないままでの暮らしとは真逆の、戦いにそなえ、身体を極限まで磨き上げ、叩き上げる暮らしでした……。
作品名『ダイバージェント』は、本作のなかでは「異端者」と訳されています。ベアトリスは、実は「異端者」でした。異端者たちはなぜ、異端と定義されるのか?異端者たちは、何をしようとする存在なのか? その謎は、徐々に明らかにされるのですが、全4部作のプロローグとなる本作は2時間19分で、まったくの別社会にどっぷり頭を浸すのには充分。今後のスリリングな展開が待ちきれないほどに、鮮やかに、巧みに近未来を描きだします。SF好きにはたまらない1本です。(Pen編集部)
『ダイバージェント』
監督:ニール・バーガー
出演:シャイリーン・ウッドリー、テオ・ジェームズ
2014年 アメリカ映画 2時間19分
配給:KADOKAWA
7月11日(金)からTOHOシネマ有楽座ほか全国順次ロードショー