仕立ての良さが自慢の新進フレンチトラッド、「DE BONNE FACTURE」を取材しました。

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    いつも笑顔のフレンドリーなデザイナー、デボラ・ニューバーグ。

    2013年にデビューするなり、本国フランス・パリの有名セレクトショップ「merci」を始め、日本でも「SHIPS 銀座店」などで取り扱われるようになった新進ブランド「デ・ボン・ファクチュール」。ジャケット、コート、ニット、シャツ、パンツといったアイテム毎に、最良の仕立て工房を厳選するフレンチトラッドの注目株です。このたび、ブランドのCEO兼デザイナーの女性、デボラ・ニューバーグが市場リサーチのために来日しました。Pen Onlineの独占取材でお送りします。
    まずはブランドスタートの経緯から。「以前私は、エルメスでウィメンズ部門のプロダクト・マネージャーをしていました。独立してからは一年間掛けて、フランス国内で家族経営している小規模ながら高い技術を持つ工房を探し巡りました。こうして出会った人々の手を借りて自身のブランドをスタート。現在は12の工房と取引しています」。
    デ・ボン・ファクチュールの服の下げ札にはこれらの工房の名前が記されており、服が生まれた背景に目を向けることができます。もちろん服を単体で眺めるだけでも、技術の高さがよく分かります。「例えばこの青いシャツは、ステッチが1cmあたり7針の細かさで縫われています。袖口の裏で折り畳まれた剣ボロの処理にも美しさを感じていただけるでしょう。なお、ボタンは貝ボタンよりも高級な水牛の角製で、フランスのジュラ地方で1950年代から続く工房のもの。この『ホーン・ボタン』は私たちのどのシャツにも採用しているアイコンです」
    高品質な服でも、着る人の体に合わなければ価値が薄れるものです。果たしてこのブランドは我々日本人にフィットするのでしょうか?「どうぞご安心を! 私たちの服のフィッティングは、スリム体型を想定しています。日本人に合うモダンな形の服というところも、日本のショップバイヤーに評判がいい理由の一つなのでしょう。ただし、パターンはタイトすぎず、ほどよいゆとりが出るように計算してあります」
    知る人ぞ知る良いものを探している方も、フレンチトラッドの新しい潮流を感じたい方も、袖を通す価値アリのブランドといえるでしょう。女性デザイナーならではの穏やかさが、服から漂っているのも好印象です!(写真ともに 高橋一史)

    青シャツ袖裏の剣ボロ部分。丁寧な仕立てがよく分かるディテール。

    撥水加工コート。日本での販売価格は95,000円。

    ウール素材のワッフル編みニット。ニットはデボラが得意とするアイテム。