精緻な針金の立体文字で文豪の直筆原稿が迫る、荒井美波の「Trace of Writing」展。

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    作品は小林多喜二の『蟹工船』の冒頭部分、「おい地獄さ行ぐんだで!」。

    文豪の原稿の生々しい筆致を針金でなぞる作品で注目される新人作家、荒井美波さんの『Trace of Writing』展が、編集者・写真家の都築響一さんのディレクションにより、1月15日から恵比寿のTRAUMARIS|SPACEで開催されます。太宰治の『人間失格』や三島由紀夫の『春の雪』といった名作の、作家直筆の文字を立体的に針金に移し替え、さらに推敲の赤字なども赤い針金で入れるこの作品。原稿用紙のように罫を入れた革のキャンバスに針金の文字を置いていくことで、時間を経て文字が育っていく過程を追う独創には興味深いものがあります。
    作者の荒井さんは武蔵野美術大学在学中の昨年に、この『Trace of Writing』で三菱化学ジュニアデザイナーアワードの佳作を受賞。アワードの審査員も務めた都築さんは「立体写経」と評し、「知的刺激に満ちた作品」と好意的に紹介しています。文字は思考の軌跡であり、元々はペンや筆といった筆記用具を手にもって書くという行為の産物。でも近頃はキーボードを打つばかりで手書きの頻度はかなり減っているはずです。「書く」という行為について、この機会に考えてみるのはいかがでしょうか?(Pen編集部)

    針金で文字の1画をつくるのに30分かかることも。

    『荒井美波「Trace of Writing」』

    1月15日(水)~2月2日(日)
    会場:TRAUMARIS|SPACE
    住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F 
    TEL:03-6408-5522
    開場時間:16時~24時(火~土) 14時~22時(日)
    定休日:月曜
    無料
    http://www.traumaris.jp


    トークライヴ(ゲスト:都築響一)
    1月19日(日)17時~18時30分