『ある愛へと続く旅』のペネロペ・クルスが凄すぎる。

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    なんだか、ウェブにありがちなタイトルを書いてしまったが、この言葉がピタリと当てはまるのでしょうがない。もう一度言おう。『ある愛へと続く旅』のペネロペ・クルスが凄すぎる。

    舞台は民族紛争直前のサラエボ。留学中の若きジェンマ(ペネロペ・クルス)はアメリカ人カメラマンのディエゴ(エミール・ハーシュ)と恋に落ちる。2人は結ばれ、結婚し、子どもを渇望するが、願いは叶わない。1992年、サラエボ包囲の最中に、2人は代理母候補を見つける。そして子どもを授かったのだが……。

    ストーリーの壮絶さもこの映画の見どころである。ジェットコースターのようなスピード感とは違う、混乱につぐ混乱。予想のできない結末が待っている。平和な国に住んでいるとピンとこない、人間たちの機微も複雑に絡み合う。だが、戦火の下にある自分を想定すると、それら絡み合う気持ちのひとつひとつがちゃんとわかってしまえるから辛い。

    ペネロペは、そんな人間の残酷な性、尊き性にもまれて年をとり、母になり、顔に皺をたたえてゆくのだが、その表情と演技が想像以上に素晴らしいのだ。若い女の子っていいよね、なんてこの映画を見た後には言えない。逆にペネロペの表情から、女は素晴らしいと絶賛したくなる。

    最後にチョットだけ、老いたときのペネロペ画像をお見せしよう。スクリーンではもっと凄いのなんのって感じだから、是非見てほしい。(Pen編集部)

    『ある愛へと続く旅』
    監督:セルジオ・カステリット
    出演:ペネロペ・クルス、エミール・ハーシュ
    2012年 イタリア・スペイン映画 2時間9分
    配給:コムストック・グループ
    11月1日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー