昨年9月、中国の100都市以上で反日デモが発生し、大きな国際問題になったのを覚えているでしょうか。
あれから1年、今も日中関係は冷え込んだままです。それでも今も、中国には約14万人の日本人が暮らしています。そしてその現地に根付いた彼らから見ると、あの恐ろしかった反日デモも、大変そうに思える生活も、市井の中国人の姿も、まったく違って見えるから不思議です。
先ごろ刊行された『在中日本人108人の それでも私たちが中国に住む理由』には、駐在員からブロガー、建築家、俳優まで、さまざまな日本人の声が収められています。そこには、反日デモを職場の仲間と見学に行き、その仲間が「ここに日本人がいるぞぉ」と笑いながら叫んで、彼自身も「ひぃやめてくれ~!」とおどけてデモ隊から笑いを取った話もあれば、現地で子育てをしたり、ビジネスをしたり、タクシー運転手と喧嘩をするなんていうリアルな日常も収められています。
中国のドラッグクイーンを撮った写真(2013年木村伊兵衛写真賞受賞)も収録されたこの1冊から、「知られざる中国」を覗いてみてはいかがでしょうか。(編集M)
『在中日本人108人の それでも私たちが中国に住む理由』
在中日本人108人プロジェクト編 ¥1800+税