ワタリウム美術館で、寺山修司のディープな回顧展。

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    寺山修司、渋谷に落成した天井棧敷館の前で。

    30年以上前に歌人・詩人・劇作家などとしてマルチな活躍した寺山修司を回顧する『寺山修司展「ノック」』が、神宮前のワタリウム美術館で開かれています。

    歌人、詩人として頭角を現した寺山は、31歳で演劇実験室「天井棧敷」を設立し、過激な実験的演劇を行いました。「天井棧敷」の立ち上げには横尾忠則、東由多加らが参加。寺山の長編小説『あゝ、荒野』の表紙を写真家森山大道が担当するなど、さまざまなアーティストとの関わりがあり、今回の展覧会でも森山が撮った60年代の新宿と三沢の写真が展示されます。

    この展覧会のタイトル「ノック」は、1975年に寺山と天井棧敷が町中で同時多発的に行った市街劇の名前から来ているとのこと。驚いた住民に警察に通報されたりと、混乱を生んだようです。

    展示では、天井棧敷のパフォーマンスの数々を紹介するほか、寺山がさまざまな映像実験を行った短編映画10本を上映。
    さらに毎週土曜・日曜の18時からは、「戯曲は文学ではない」という考えだった寺山の言葉のリーディングが行われます。47歳で死去した天才、寺山修司のディープな世界に浸ってみては? (Pen編集部)


    1969年30 時間市街劇『ノック』〈空中散歩者〉(1975 年撮影:  扇田昭彦 寺山修司展チラシ)

    『寺山修司展 「ノック」』
    ワタリウム美術館
    7/6(土)~10/27(日)
    東京都渋谷区神宮前3-7-6
    電話:03-3402-3001
    休館日:月(7/15、9/16、9/23、10/14は開館)
    開館時間:11時~19時(毎週水曜日は~21時)
    入館料:一般¥1,000
    http://www.watarium.co.jp