コロナ禍で「庭付き戸建て」のブーム到来、不動産マーケットが活況に!

  • 文:宮田華子

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LONDONロンドン

コロナ禍で「庭付き戸建て」のブーム到来、不動産マーケットが活況に!

文:宮田華子

住宅街には「Sale(売却中)」や「Sold(売却済)」の看板が立つ家が増えている。イギリスの一般的な家には前庭と裏庭があり、玄関部分は前庭。建物の奥に細長い裏庭がある。photograph by Hanako Miyata

イギリスの個人資産の基盤は「持ち家」だ。キャッシュを貯める習慣はあまりなく、生涯に何度も家を買い換え、「プロパティ・ラダー(不動産のはしご)」を昇って資産を増やしていくのが一般的。3月後半にすべての不動産取引がストップしたときは「今後家の値段が総崩れし、不況につながるのでは?」と心配されたが、現在不動産マーケットは大変勢いづいている。

しかし人気なのは「庭付きの家」だけ。これまで人気だった利便性の良い場所にあるフラット(マンション)は見向きもされず、皆が必死に庭付きの物件を探している。これはロックダウン中の厳しい外出制限を経験したことが理由だ。必須の買い物と1日1度の運動目的の外出のみが許可されていた時期でも、小さくても庭があればリフレッシュでき、子どもも外で遊ぶことができた。「自宅に庭があるか?」「ないか?」は本当に大きな違いだった。

冬の寒さが厳しいイギリス。それだけに人々は春から夏の季節を本当に心待ちにしている。庭がある人は日々庭いじりにいそしみ、庭がない人は近所の公園にせっせと通って緑や花々を満喫する。それだけにコロナ禍における「庭なし組」のストレスは相当なもので「第2波が来るかもしれないから、緩和中にさっさと庭付きの家に乗り換えよう」と買い替えを急ぐ人が続出。さらに不動産購入時に支払う印紙税に関して、2021年3月末までに不動産を購入した場合、50万ポンド(約7,000万円)までは印紙税が無料となる減額スキームを政府が発表し、これもブームの追い風となった。売る方も買う方も「いまがチャンス!」とこの祭に乗っている。

かくいう私は庭もベランダもないフラットに住んでいる。それだけに庭付きの家に飛びつく人たちの気持ちが痛いほど分かる。諸事情あって我が家は今回この祭りには乗らないが、「近い将来、何としても“庭付きの家”を手に入れたい」と決意を新たにしたばかりだ。

家の売却は不動産会社を通して行うことが多いが、自力で行う人もいる。内覧アポ用の携帯番号を明記した手製の看板。photograph by Hanako Miyata

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