一人称は「わい」⁉ エキゾガールの底知れぬ魅力。

  • 写真:廣瀬順二
  • 文:佐野慎悟

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一人称は「わい」⁉ エキゾガールの底知れぬ魅力。

写真:廣瀬順二 文:佐野慎悟

vol.22
せたこ
大学生/モデル/「セタコ」デザイナー

一見18歳とは思えないほどの大人びた美貌とオーラにうろたえそうになりますが、ひとたび口を開けば、「わいは自由人で、海外にばっかり行ってたけど、いまは大学生で日本にいなきゃだから、モデルをいっぱいできてハッピーみたいな」。フランクな口調に心が和まされます。

現役慶大生ハーフモデルとしてTBSテレビ「サンデー・ジャポン」に出演し、そのエキゾティックなルックスとギャップのある「わい的には〜」という独特の口調で、お茶の間を楽しませているせたこさん。イラン人と日本人の両親の間に生まれ、6歳までイランで過ごした彼女は、日本に来たばかりの時は、同級生からの好奇の視線や、日本語がおぼつかないことでからかわれることに悩むこともあったそうです。

しかし、ある日学校に自身のルーツであるペルシャ柄の洋服を着ていったところ、みながイランの文化に興味をもつきっかけとなり、会話が生まれ、自然と友達が増えていったと話します。そのように、”ファッションに助けられた”経験から、「ファッションの力で、異文化理解の素晴らしさを伝えていきたい」と思うように。「まずは勉強が必要だ」と、高校生の時に8カ国を巡り、単身乗り込んだネパールでは現地の工場で実際にものづくりを体験しながら布の生産過程について学んできました。その後クラウドファンディングでブランドの立ち上げ資金を募り、いよいよ自身のブランド「セタコ」の立ち上げに成功。この時点でまだ高校生だったのですから、その行動力には驚かされるばかりです。

今年の4月に大学に入学したばかりの彼女ですが、自身のスタイルをしっかりともっていて、カメラの前でも物怖じせずに堂々としたポージングを見せてくれます。今回は、私服のお気に入りを組み合わせたコーディネート「せたコーデ」を紹介。異なるキャラクターを演じ分ける、大人びた彼女の姿をご覧ください。

撮影前、色調を正しく再現するためにカラーチャートを持ってもらうと、偶然にも持参したバッグの色とシンクロ。なんだか撮影スタジオでレオパード柄のコートを着ている姿が、映画『ファクトリ・ーガール』のイーディ・セジウィックを彷彿させます。

カラーチャートとの見事なシンクロを披露したあと、床に寝そべってポーズを取ってもらうと、なんと今度は、靴下がバッグの柄とシンクロしました。「せたコーデ」、さすがっす。大人っぽい服装のワンポイントに、こんなに可愛い抜け感を忍ばせる感じ、勉強になります!

次のコーデは、カスタマイズされたデニムジャケットが印象的な、デニム上下のカジュアルルック。この美貌で一人称が「わい」なんて、自身の耳で聞くまでは、にわかには信じられません。写真だけでは伝わらないこともあるんだと、痛感している今日この頃です。

デニムの上下をスニーカーと合わせてもどこか品があり、大人っぽい印象を与えます。この上下はリーバイスで購入したもの。

「60年代とか70年代の雰囲気が好きすぎて、この前、神保町の古本屋さんで昔の『ヴォーグ』を買ってきたの」とせたこさん。ちなみに最近のファッション誌は全然見てこなかったので、いま一生懸命勉強中とのこと。

レトロな雰囲気が大好きということで、次のコーデはクラシックなトレンチコートにハットを合わせた女優ルック。ハンドメイドのハットはニューヨークの「ザ・ハット・ショップ」にて購入したお気に入り。

トレンチコートもニューヨークのヴィンテージショップで購入したもの。ヴィンテージショップ巡りが大好きだというせたこさんは、ニューヨーク、パリ、ミラノなど、訪れる先々で一期一会のショッピングを楽しんでいるそうです。

クラシックなカメラを構えて、60年代の女性ジャーナリストを演じるせたこさん。スマホ世代にも関わらず、カメラを構える姿がサマになっています。

本日2着目のファーコートも、海外のヴィンテージショップで見つけて購入したもの。「ヴィンテージにはオーラがあるし、何十年経ってもまだ残っているってことは、愛され続けているってこと。わいもそんな服をつくれるようになりたいな」

「とにかく昔の色と柄が大好き。ヴィンテージな上に手描きだったりするから、同じものはどんなに探しても見つからないよね。世界にはいろんな地域にいろんな柄があるから、もっといっぱい旅したいな」。エキゾチックな美しい目鼻立ちが、エスニックテイストの色柄を華やかに引き立てます。

「いつでもレトロな柄に包まれていたい!」と語るせたこさん。これから自身のブランドでさまざまな文化の色や柄を見せてくれることを、わいらはとっても期待しています。

Q1
好きな男性のファッションは?
A
白いシャツに黒いパンツ、質のいいコート。ピシッとした格好にシルバーのアクセサリーがキラリとワンポイントある感じ。
Q2
よく行くお店は?
A
天気のいい日は広尾にある「パパス カフェ」のテラスでハヤシライスとアイスラテを飲むのがわいのお気に入り! 夜は焼肉と和食が多い! ネギタン塩大好き! 和食は色んなところを探して行ってみるのが好きです。
Q3
好きな食べものは?
A
比較的なんでも好きですが、オリーブや生ハムはよく食べます。 あと味濃いものが好きです。
Q4
趣味は?
A
絵を描くこと! あとは旅行です。
Q5
SNSの活用法は?
A
インスタグラムでは、わいの心の中で輝いている風景や、わいが描いたカラフルな絵など好きなものをあげつつ、旅先での「#せたこーで」の写真を上げています! インスタのストーリー機能では、自分の顔よりかは自分の心に響いた写真をあげる方がわい的には好き! Twitterはお仕事の告知や旅先の写真をぼちぼちアップしてます……(笑)
Q6
好きな男性のタイプは?
A
感性に共通点のある人。たとえば電柱に木の枝が絡まってたり、氷にピカピカと光が当たってその氷が自然と虹色に色づいていたり、コーヒーにミルクを垂らす時にミルクとコーヒーがゆっくりと混ざり合うところ、雨の日の水たまりに映る光。そういうのを見て、自然と会話が生まれるような人がいいな! 噂話でも何でもなく美しく輝くものについて会話できる人がいい! 綺麗な心をもった人。おたがいのことを永遠に傷つけず支え合うことを続ければ愛が生まれると思う! それまでは愛じゃない気がするな。綺麗な心をもった人はオーラはオレンジと赤の間みたいな色なの! 素直に生きてる人が好き! わいもなにに対してもド素直って言われる! 自由に生きている人。社会的にこれが評価されるからこれをやる! とかじゃなくて、本当に自分がしたいことをしてる人に魅力を感じるし、社会的な記号にとらわれてるのは好きじゃないな!
Q7
好きな休日の過ごし方は?
A
家でだら~としたり、その時に思いついたことをすぐやる! たとえば絵の具とキャンバスを出して心の中を描いたり、ろうそくを眺めたり、太陽を感じたり!!
Q8
好きな音楽は?
A
ヤン・アンド・ナオミさんの『リールー・アンド・アレキサンドラ』。たまたまイベントで聴いて夢中になりました。心がほわんってなる!
Q9
特技は?
A
掃除が上手、これは周りの人に認められてます!
Q10
好きな本は?
A
村上龍さんの『イビサ』。 普段、わいが感じるものが龍さんの描写に含まれてて、その文字に吸い込まれるから!
Q11
好きな映画は?
A
実話系が好きです。過去を知るのは大切だと思うので。わいはもっと昔に生まれればよかったと思います。現代では気軽にラインでやりとりとかできるし、SNSで監視し合っている。便利なことも多いですが、嫌な面もありますよね……。過去の人々は誰かを想う時間が長かったり、手紙で気持ちを伝えたりする方が物事を深く理解できて素敵だなって思います。過去に戻れないからこそ美しいって思えるんだろうけど、わいは過去に戻ってみたいです。だから『ミッドナイト・イン・パリ』が好き!!
Q12
身長は何cm?
A
168cm
Q13
自分は犬系女子? 猫系女子?
A
気分によって変わります! 癒しが欲しい時は犬、美しい気持ちになりたい時は猫。
Q14
インスタグラムで反響が大きかった投稿は?
A
高校の卒業式の制服の写真と、大学の入学式写真です!
Q15
自撮りする時に気をつけていることは?
A
あまりしないです。撮ってもらう方が好き!