ワインをつくる喜びをその名に託した、静かで力強いリースリング・リオン

    Share:

    日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

    #23|
    鹿取みゆき・選&文
    尾鷲陽介・写真
    selection & text by Miyuki Katori
    main photograph by Yosuke Owashi

    フロイデ2015

    ワインの名前には、土地の名前が付けられたり、原料ブドウの名前が付けられたり、あるいはワインをつくった人の名前が付けられたり、いろいろなケースがあります。ときにはつくり手が自らの母親への感謝の気持ちを込めて、その名前を付けることもあります。またワインのつくり方に制限をかけてくる体制への抗議の意志を表すために、存在しない言葉を造語でつくりだし、あえてその名前を付けた事例も見受けられます。いずれにせよ、ワインの名前には、つくり手の考えや気持ちが込められることが多いものです。

    岩手県にある高橋葡萄園。オーナーであり栽培醸造家でもある高橋喜和さんは、自分で育てたリースリング・リオンというブドウでつくった白ワインに「フロイデ」と名付けました。このワインは、ブドウの樹の南側の房だけを収穫してつくられています。フロイデはドイツ語で「喜び」という意味。名前の由来を高橋さんはこう話してくれました。

    「私自身のブドウを育てる喜び、ワインをつくる喜びを託すだけではなく、このワインを飲んで楽しいひとときを過ごす喜びを多くの人と分かち合いたいという思いを込めました」(ちなみに高橋さんはオーストリアでワインづくりを学んでいるので、ドイツ語を使ったのでしょう)。

    このワインは濃厚さや派手さがあるわけではありません。でも口に含むと、すぐに、ブドウのパワーが骨太な酸とともに迫ってきます。思わずはっとさせられるほどです。彼がブドウづくりやワインづくりを行うことに喜びを感じているのがよくわかる味わいですね。

    静かだけれど、力強い。それはまるで高橋さんの人柄までを表しているかのようです。

    ワインをつくる喜びをその名に託した、静かで力強いリースリング・リオン
    リースリング・リオンという品種は日本で開発されたブドウです。岩手県花巻市出身の高橋さんは地元の大学に通っていた20歳の時に初めてこの品種のワインを飲み、キリっとしたおいしさに惚れ込みました。いまではこの品種で2種類のワインをつくっています。

    フロイデ2015

    ワイナリー名/
    高橋葡萄園
    ブドウ品種と産地/リースリング・リオン(岩手県花巻市大迫)
    容量/750ml
    価格/¥3,000
    問い合わせ先/高橋葡萄園
    TEL:080-1662-6150
    E-mail:info@weinbautakahashi.com

    プレゼント

    連載「日本ワインで乾杯!」では毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第23回「フロイデ2015」のご応募の締め切りは、2016年11月24日(木)まで。ふるってご応募ください。  ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

    プレゼントに応募する