音楽家と医師の夫婦が、愛情をおしみなくそそいで育てあげたカベルネ

    Share:

    日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

    #06|
    鹿取みゆき・選&文
    尾鷲陽介・写真 
    selection & text by Miyuki Katori
    main photograph by Yosuke Owashi

    ラ プルミエール フォア カベルネ・ソーヴィニヨン 2013

    素晴らしくおいしいワインを飲んだ時の感動と、美しい音楽を聴いた時の感動はどこか似ています。
    今回、ご紹介するつくり手さんもひょっとすると同じように思っているのかもしれないと、彼らの話を聞いた時に思いました。

    つくり手さんとは金橋豊彦さんと妻・美智子さん。2人は5年前、「ファンキー・シャトー」というワイナリーを長野県青木村に立ち上げました。豊彦さんは音楽プロデューサー、そして美智子さんは医師というもうひとつの仕事をもちながら、2人でワインを育てています。「育てる」という言葉を使ったのは美智子さん。2人のワイン哲学が「ブドウは自身でワインへと変化していくもので、できる限り人の手で操作することは最小限にとどめる」というものだからでしょう。
    既に50歳を過ぎた彼らにとって、早朝まだ世の中が動き出さないうちに起きだして畑に向かう作業だけでも楽ではないはず。それに加えてワインを仕込む時には、ほぼ間違いなく夜を徹してのきつい力仕事となるそうです。そして豊彦さんはそのまま、音楽の仕事のために東京に向かうのです。なぜそこまでするのかと尋ねると、
    「単純にワインが好きだから。そして2人でワインを育てる時間が愛おしいから」という答え。そして、こう続けました。
    「ブドウを育ててワインをつくり始めた時の衝動は、音楽を始めた時の衝動に似ていました。24時間ワインのことを考えていても苦になりません。それくらい好きであれば続けられる」

    いまの2人には、一緒に静かにワインと向き合う時間が、かつて忙殺されていた日々に心をほぐしてくれた1杯のワインと、同じくらいかけがえのないものなのでしょう。
    そんな2人のカベルネは、みずみずしくも、しっかりした体躯をもった味わい。彼らのワインとブドウへの愛情が伝わってきます。

    現在ファンキー・シャトーでは完売していますが、ワインショップやレストランなどで一部取り扱いのある店舗があるそうです。出合えたら、ぜひ手に取ってみてください。


    音楽家と医師の夫婦が、愛情をおしみなくそそいで育てあげたカベルネ
    ファンキー・シャトーという名前は豊彦さんの音楽の仕事の先輩である近田春夫さんが、「お前たちらしいんじゃないか」と付けてもらったそうです。「ワインづくりでも、いつまでも形式に捉われること無く自由な魂をもち続けてたいと思っています」

    ラ プルミエール フォア カベルネ・ソーヴィニヨン 2013

    ワイナリー名/ファンキー・シャトー
    ブドウ品種と産地/カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン (ともに長野県上田市東山)
    容量/750ml
    価格/¥5,940
    問い合わせ先/ファンキー・シャトー
    TEL: 0268-49-0377 
    http://funkychateau.com
    ※「ラ プルミエール フォア カベルネ・ソーヴィニヨン 2013」はファンキー・シャトーでは完売、ワインショップやレストランなどで取り扱い中の店がある。

    プレゼント

    新連載「日本ワインで乾杯!」のスタートを記念して、毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第6回「ラ プルミエール フォア カベルネ・ソーヴィニヨン 2013」のご応募の締め切りは、2016年3月10日(木)まで。ふるってご応募ください。  ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

    プレゼントに応募する