ジャパニーズウイスキーを味わうチョコレート「YOIYO <KOMAGATAKE>」。開発に秘められた想いに迫る。

  • 写真(p1
  • p4の1、3枚目):岡村昌宏(CROSSOVER)
  • スタイリング:廣松真理子
  • 文:小久保敦郎(サグレス) 写真(P2〜P3
  • P4の2枚目):八木伸司

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ロッテの新ブランド「YOIYO」は、ひと粒に日本のジャパニーズウイスキーを閉じ込めたチョコレート。店頭販売を主戦場としてきたロッテにとって、初のD2C商品でもある。第一弾の「YOIYO <KOMAGATAKE>」は、妥協なき原酒選びによって誕生した。

「日本のクラフト酒とコラボしたチョコレート」という新たな視点で開発されたロッテの新ブランド「YOIYO」。寛いだ夜のひと時、こだわり抜いたひと粒が大人の時間に寄り添う。

「Bacchus」や「Rummy」に代表される洋酒入りチョコレートをつくり始めて約半世紀。そのロッテがこの春、新ブランド「YOIYO」を立ち上げた。ひと粒のチョコレートに閉じ込めるのは、日本各地でつくられるクラフト酒。今回、第一弾としてコラボレーションしたのが、流通数が限られるシングルモルトウイスキー「駒ヶ岳」だ。

そもそも新ブランド「YOIYO」が生まれた背景には、外から中へという新しい生活様式への適応が進むいま、より豊かな時間を自宅で過ごせるようにロッテとしてなにができるのか、という模索があったという。日本のクラフト酒入りチョコレートというこだわりの商品が開発された経緯、そして込められた想いを聞いた。

豊かな自然環境に恵まれた、マルス信州蒸溜所。

中央アルプスの美しい森に囲まれたマルス信州蒸溜所。本坊酒造が理想とするウイスキー造りのため、最適な環境を求めてたどり着いたのが、標高798mのこの地だった。

「YOIYO」は「日本に酔うチョコレート」をコンセプトに掲げる。その言葉にはどんな意味が込められているのか。ロッテ EC戦略部 商品企画課の田中麻紀子さんはこう話す。

「日本には、"まだ知られていない日本"があります。それは清らかな水と土地に根付いた原料だったり、伝統の技が生んだ味わいだったり。そんなお酒をギュッと詰めたチョコレートなら、自宅での寛ぎの時間に、ふらりと旅に出るような気分で食べていただけるのではないかと思いました」

そのためには、四季の移ろいや気温変化など周囲の自然とともに酒づくりを進めており、かつ技が伝承されているメーカーとコラボレーションしたいと考えていた。シングルモルトウイスキー「駒ヶ岳」を製造する、本坊酒造のマルス信州蒸溜所。その環境と酒づくりへの姿勢は、田中さんのイメージにピタリと一致していた。

中央アルプスの雪解け水は、ゆっくりと地下に浸透して濾過され、清冽な水となり湧き出してくる。マルス信州蒸溜所では、ウイスキーの仕込みに地下120mから汲み上げた軟水を使う。

マルス信州蒸溜所は、中央アルプスの木曽駒ヶ岳山麓、標高798mに位置する。気候は冷涼ながら、冬は氷点下15℃、夏は30℃を超すこともあるなど、年間を通しての寒暖差が大きい。ウイスキーの仕込みに使うのは、井戸から汲み上げる地下水。中央アルプスの地層に磨かれた、まろやかな軟水だ。

「ウイスキーのみならず、酒は周囲の環境と水に大きく影響されます。私たちが目指しているのは、クリーンでリッチなウイスキー。ウイスキー造りに向け、理想的な環境を探す中で、この地を選びました」と話すのは、マルス信州蒸溜所の折田浩之所長。

「ここの空気は清冽で、霧も多い。樽の中のウイスキーは、呼吸をするように清らかな空気や霧を取り込みながら、ゆっくりと熟成を重ねていきます」

本州の中央部、天竜川と木曽川に挟まれてそびえる中央アルプス。最高峰の木曽駒ヶ岳を筆頭に3000m近い山々が連なる風景は絵画のように美しく、また自然環境の厳しさも教えてくれる。

マルス信州蒸溜所の特徴は、恵まれた自然環境だけではない。ウイスキーづくりの中で、要となるのが蒸溜の工程。ポットスチルの蒸溜窯の形状も、酒質に大きく影響するという。マルス信州蒸溜所に設置されているのは、岩井式ポットスチルと呼ばれるもの。岩井とは、本坊酒造の顧問を務めていた岩井喜一郎。その岩井はニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝をスコットランドに送り出した人物で、竹鶴ノートを参考にして独自のポットスチルを設計した。

「現在のポットスチルは二代目になります。初代の図面をトレースしているので、フォルムは変わりません。一方で、昨年新しい蒸溜棟をつくり、発酵タンクなど設備をほぼ一新しました。だから連綿と受け継がれた技術を変えずに、いまはより進化した状態になっています」と折田さん。

岩井喜一郎が竹鶴ノートをもとにオリジナルで設計したポットスチル。蒸溜所の設備を最新のものに変えてもポットスチルの形状だけは岩井式にこだわり、伝統の味を受け継いでいる。

こだわり抜いてセレクトされた、駒ヶ岳の原酒。

シングルモルトウイスキー「駒ヶ岳」はマルス信州蒸溜所の看板商品。その複数の樽を対象にセレクトを行い、さらに厳選したウイスキーを集めて最終選考会が行われた。

「YOIYO」でのコラボが決まった時、どのウイスキーを使うかの提案はマルス信州蒸溜所に委ねられていた。この蒸溜所ではシングルモルトウイスキー「駒ヶ岳」の他に、ブレンデッドウイスキーも各種つくっている。ウイスキーに合わせるチョコレートは、ロッテがこだわり抜いたミルクチョコレートが用意された。試食した時の印象を、同蒸溜所ブレンダーの河上國洋さんはこう振り返る。

「やはりウイスキーにはビターチョコが合うだろう、と想像していました。ところがいざ味わってみると、ミルクチョコの口溶けのなめらかさがマッチすると感じました。マルス信州蒸溜所のウイスキーの仕込み水は軟水です。そのせいか味わいがなめらかになり、丸みを帯びてくるようなところがあって。これはいけると思いました」

「最初はシェリー樽が合うかな、というイメージでした。でもサンプリングを進めていくうちに、バーボンバレルの可能性も見えてきた。どちらになるかな、と思ってました」とブレンダーの河上さん。

口溶けのなめらかさが特徴のロッテのミルクチョコレート。その中に詰めるウイスキーは、どれにするのか。出した答えは数あるブレンデッドウイスキーではなく、シングルモルトの「駒ヶ岳」だった。その理由をブレンダーの河上さんはこう説明する。

「YOIYOは日本の各地を旅するような気分で味わうチョコレートだと聞きました。ならばマルス信州蒸溜所の骨格になるウイスキーで勝負したいと思ったんです」

とはいえ、「駒ヶ岳」は生産量が限られたウイスキーだ。所長の折田さんは言う。

「駒ヶ岳は商品として発売すれば、すぐに売れてしまいます。でも、チョコの中に入れることで、その味を少しでも多くの人に届けられるという思いがありました」

選考会で最終的に残った4本の原酒。樽はシェリー樽とバーボンバレルで、それぞれアルコール度数46%と52%で検証が行われた。その結果、バーボンバレルの46%が満場一致で選ばれた。

だが、銘柄を「駒ヶ岳」に決めたのは、ウイスキー選びの始まりでしかなかった。樽で熟成させるウイスキーは、樽の種類やアルコール度数で味わいが変わってくる。

「この蒸溜所で熟成させている複数の樽をマッチングの対象にしました。ミルクチョコを念頭に置きながらサンプリングを進め、シェリー樽など十数種類をピックアップして最終選考に臨みました」とブレンダーの河上さん。セレクトに妥協がないのも、ウイスキーメーカーとしての矜持だろう。

ロッテの田中さんも参加した最終選考会。満場一致で選ばれたのは、バーボンバレルで熟成された「駒ヶ岳」だった。

「まず口の中でミルクの香りがして、後から『駒ヶ岳』のよさが広がっていく。これだ!と。参加者の緊張感が高揚感に変わった瞬間でしたね」と田中さんは話す。

原酒が静かに眠る貯蔵庫。「YOIYO<KOMAGATAKE>」のためにバーボンバレルが提供された。

大人のよい夜を楽しむために「YOIYO」を。

生活スタイルが変化し、自宅で過ごす時間が増えた人は多い。より豊かな在宅時間のために、妥協なき原酒選びを経て誕生した「YOIYO<KOMAGATAKE>」。そのひと粒が、親しい人との会話を生むきっかけになる。

日本のクラフト酒を味わうチョコレート「YOIYO」の第一弾として、徹底したこだわりから生まれた「YOIYO<KOMAGATAKE>」。このチョコを味わってほしい人について、ロッテの田中さんにはあるイメージがあるという。

「YOIYOというネーミングには“よい夜”、“ほどよい酔い”などの意味が込められています。自宅で過ごすことが増えたいま、夕暮れ時のひと時、または夕食後の寛ぎタイムに、日本のクラフト酒入りチョコレートでプラスαの価値を提供できれば、と考えました。たとえばYOIYOを食べた夫婦のあいだで、駒ヶ岳に関する会話が生まれたら素敵なことではないでしょうか。そのため、パッケージに絵葉書のように美しい木曽駒ヶ岳の写真を使い、訪れたことのない人でもウイスキーが生まれる環境をイメージできるようにするなど、付加価値を生む工夫をしています」

チョコレートの中にお酒を閉じ込めるためのロッテ伝統の技術が光る。「YOIYO」でもミルクチョコレートとクラフト酒の絶妙なマリアージュを堪能できる。

夕食後の、穏やかなひと時。ひと粒口の中に入れると、口溶けのなめらかなミルクチョコレートが舌の上に広がる。鼻から抜けていくのは、クリーンでリッチなシングルモルトウイスキー「駒ヶ岳」の香り。ウイスキーが生まれたのは、清冽な水と空気に満たされた木曽駒ヶ岳の麓。

その美しい風景が頭の中に浮かび上がり、思わず誰かと話したくなる――。そんなストーリーをしっかりと伝え、共感できる人に商品を直接届けたいという思いから、「YOIYO」は店頭で販売せず、オンライン限定の商品で生産量も限定される。豊かな在宅時間のために生まれた、ロッテの新ブランド「YOIYO」。まずは第一弾の「YOIYO<KOMAGATAKE>」で、信州を旅する気分を味わってみてはいかがだろうか。

中央アルプスの美しい風景を前面に使った「YOIYO<KOMAGATAKE>」のパッケージと10個入りのボックス。マルス信州蒸溜所を知らない人でも、どのような環境でウイスキーがつくられているのかイメージできる。販売は10個入りセット、価格は¥5,940(送料、税込)/ロッテ

問い合わせ先/ロッテ
https://www.lotte.co.jp/products/brand/yoiyo/

ジャパニーズウイスキーを味わうチョコレート「YOIYO <KOMAGATAKE>」。開発に秘められた想いに迫る。

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  • p4の1、3枚目):岡村昌宏(CROSSOVER)
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  • 文:小久保敦郎(サグレス) 写真(P2〜P3
  • P4の2枚目):八木伸司

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