シティで使える機能満載、カナダグースの珠玉の"春アウター4選"はコレだ!

  • 写真:鈴木新 スタイリスト:池田尚輝
  • ヘアメイク:AMANO
  • 文:高橋一史 

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アウトドアを生活のフィールドにするプロフェッショナルが信頼を寄せ、街着としても人気の高いカナダグース。新しい日常に寄り添う先進的な技術や素材に注目し、この春使える4アウターを紹介。

プロユースの性能をもつ「サイエンス リサーチ ジャケット」。ここに紹介するアウター4着のなかの1着だ。

都市部に新しい生活様式が広がり、家と外とがシームレスにつながる時代を迎えている。望まれる服装は、日常をより快適にするアクティブなもの。コワーキングスペースやシェアオフィスに向かう自転車に乗るとき気分を爽快にするのは、春の風を感じるスポーティなアウターだ。なかでもフードつきのレインパーカなら、雨の日に近場に出かけるにも傘をささず手ぶらで過ごせる。外出中に突然天候が崩れても、慌てて走り出す心配もない。カジュアルな1着が、心を自由に開放してくれるのだ。

アウトドアを生活のフィールドにするプロフェッショナルが信頼する防寒服が、街着としても大人気のカナダグース。それらのアイテムと同様に、機能に優れる春夏向けのアウターがある。大人にふさわしい品格のあるスポーツウエアを求める人も、愛するカナダグースと年間通して一緒に過ごしたい人にもフィットするライトなシリーズだ。ここでは2021年前期のラインアップから、厳選した4着に注目した。すべて雨風を防ぐタフなレインウエアの性能を搭載している。似たように見えて実は個性が異なるデザインのなかから、パーソナルな嗜好に合う愛用品がきっと見つかるはず。

"プロ仕様"を街着に落とし込んだ、「ロックポート ジャケット」

本格的な機能をデイリーユースにした「ロックポート ジャケット」。本体生地は耐久性が非常に高く、生地にコットンが 含まれているため時間の経過とともに経年変化を楽しむことができる。ロックポートジャケット¥70,400(税込)/カナダグース(TEL:03-6758-1789)、タートルネックカットソー¥12,100(税込)/ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL:03-5772-5501)、ボーダーカットソー¥11,880(税込)/セントジェームス(セントジェームス 代官山 TEL:03-3464-7123)、ショートパンツ¥36,300(税込)/ヘリル(ニシノヤ TEL:03-6434-0983)、スニーカー、ソックスはスタイリスト私物。
サイドのハンドウォーム用ポケットは、「サイエンス リサーチ ジャケット」とは異なるディテール。ネックのチンガード裏に見える黒パーツは、トリコット素材。首にあたる冷たい感触を防ぐ、着る人に配慮されたディテールだ。

記事冒頭写真の白アウターは、カナダグースが誇る防寒服のアーカイブから着想された本格装備の「サイエンス リサーチ ジャケット」(詳細は次ページ)で、このモデルを日常着にアレンジしたバージョンが21年の新作となる「ロックポート ジャケット」(3月6日発売)である。着丈が短くなりポケットの数も計6個に減り、その分軽量化された。大きさを微調整可能なフードは裏地つきで、ネック部分も顎まで覆う長さ。雨風の侵入をシャットアウトすると同時に、温かさの調整もしやすくなっている。インナーに厚手のセーターでも着れば、真冬でも問題ないだろう。

荷物を収納しやすいサイドのマチつきポケットはサイエンス リサーチ ジャケット譲りのディテール。背中に横一直線についたダブルストライプのリフレクターは、ロックポート ジャケットだけのオリジナルだ。車のライトを反射させて視認性が高まるため、夜間に自転車で移動するとき着るのにも向く。本体生地の質感は、ハードシェルと呼ばれる固めで頑丈な風合い。マウンテンウエアのように身体を守ってくれる安心感が心地いい。

北極の科学者たちのためにつくられた、「サイエンス リサーチ ジャケット」

プロフェッショナル御用達の本物に袖を通す喜びも得られる、雨風をシャットアウトして体温調整もしやすい「サイエンス リサーチ ジャケット」。
アウトポケットの内部は二重構造で仕切され、荷物を小分けできる。マチもありタンブラーも入れられるサイズだ。デザインアクセントでもある上腕のダブルストライプは、リフレクター素材で一方向からの光を反射し、暗い場所でも視認性を高める機能を発揮する。

カナダグースのフラッグシップといえる1980年代に誕生した「エクスペディション パーカ」は、南極の研究者のために開発された寒冷地向けのアウター。その流れを受け継ぎ、同様に科学者と共同開発された本格機能の軽量モデルが「サイエンス リサーチ ジャケット」(3月6日より発売)である。これも前ページのロックポート ジャケットと同様に今季のニューモデルだ。内部にダウンは仕込まれず、夏を除く3シーズンに対応する1着に仕上がっている。

フロントのダブル式ファスナーの下部分だけを開けば、脚を動かしやすく座りやすくもなる。前全開で羽織っても風で脱げてしまわないように、ウエストだけを軽く留められるパーツも内側に搭載。これは、もともとは雪の侵入を防ぐ機能だという。

カナダグースのアウターはどれも腕を動かしやすく立体裁断されているが、このモデルも袖と脇下の可動域が広い。複雑に配されたパーツにはひとつ一つに確かな役割があるのだ。ポケットは外側に6個あり、内側にも3個つく。どれも容量があるので、男性が日常的に使う荷物の収納は万全だ。これほど機能的ながら、見た目はすっきりとスタイリッシュ。基本であり究極、それこそがサイエンス リサーチ ジャケットの真髄だ。

フードをすっぽりと被りファスナーを上まで留めれば、前からの雨風も防げる。ボディはウエストをドローコードで絞りフィット感を調整可能。サイドには縦切りファスナーポケットもあり、写真のように手を入れやすい形状だ。サイエンスリサーチジャケット¥93,500(税込)/カナダグース(TEL:03-6758-1789)、ジャケット¥96,800(税込)、パンツ¥41,800(税込)/ユーゲン(イデアス TEL:03-6869-4279)、ワッフルカットソー¥13,200(税込)/ユナイテッドアローズ、シューズ¥72,600(税込)/パラブーツ フォー ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL:03-5772-5501)

防水性が高く、持ち運びにも最適な超軽量ジャケット

ファッション性が高い本格レインウエアの「シーウルフ ジャケット」。本体生地はカナダグースが誇る高撥水性のオリジナルで、各縫い目には水の侵入を防ぐシームシール加工が施されている。シーウルフジャケット¥93,500(税込)、フーディ¥70,400(税込)<3月6日より発売>/カナダグース(カナダグース TEL:03-6758-1789)、パンツ¥25,300(税込)/GRAMICCI for Camoshita UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL:03-5772-5501)、e-bike ¥235,000(税込)/ベスビー(ベスビー ジャパン https://besv.jp)、キャップ、スニーカーはスタイリスト私物。

機能性満載の「シーウルフ ジャケット」


豪雨にも耐えうるレインウエアの機能を追求したのが「シーウルフ ジャケット」だ。裏地のつかない軽量仕立てで、小さく折り畳んでフードの内側に収納できる。雨が心配な日や旅行時にバッグに入れて持ち運ぶのにも最適な服といえる。生地はカナダグースが開発した柔らかい3層レイヤーのトリデュランス生地。背中のヨークは本体に被せたような構造で、身体から出た熱を下部から外に逃がす。さらに脇下には大きく開くファスナー式ベンチレーションも装備。各ディテールがムレがちな暖かい気候向けに工夫されている。大胆な袖のブランドディスクロゴ、モッズコートのような裾のフィッシュテールなどモダンなファッション性の高さもこの服ならではの魅力だ。

脇下にはファスナーで開閉する通気用のベンチレーションを搭載。ダブルファスナーなので開き幅を自在に調整できる。運動で汗をかいても快適に過ごせるディテールだ。
ヨークは下部が縫い付けられておらず空気の通りがよく、反射素材のリフレクターつきフラップが付属。不必要なときに内側に折り畳める。フードのひさしについたダブルストライプと袖のロゴもリフレクターだ。

サッと羽織れる、防水性と通気性兼ねた「ナナイモ ジャケット」

シーウルフ ジャケットと同じ、透湿性も兼ね備えるトリデュラン生地でミドル丈の「ナナイモ ジャケット」。フードに雨を流すひさしがついたアクティブなレインウエアだ。
採用されたトリデュラン生地は水は通さないが汗の蒸気は外に逃がす。湿気が多くムレやすい日本の春夏シーズンでも着やすい服になっている。襟位置の四角いレーザーカットの窓は通気穴。

「シーウルフ ジャケット」より短め丈が好みな人にぴったりなのが、素材や構造が同様でミドル丈の「ナナイモ ジャケット」である。ナナイモとは、カナダのバンクーバー島の都市の名称のこと。真夏まで着られる薄手生地ながら、タフなレインウエアの性能をもつ。暑いときは脱いで小さく折り畳み、バッグに入れてしまえばいい。ポケットは胸と両サイドのファスナーポケットの合計3個。そして着ると便利さに気づくのがフロントのスナップボタンだ。雨の日に素早く外に出たいとき、1、2箇所パチンと留めるだけでOK。仕事場とレストランの往復などなら十分に間に合い、着る所作もスマートだ。ここに掲載した4着すべての共通仕様であり、実用性がよく考えられたパーツである。

袖口はベルクロ留めストラップで絞れ、雨の侵入を防いだり寒暖を調整できる。手の甲もガードできるように袖の全長は長めに設定され、袖口の内側だけ手首を動かしやすいようにカーブを描く形状になっている。ナナイモジャケット ¥70,400(税込)/カナダグース(カナダグース TEL:03-6758-1789)、ニット¥22,000(税込)/バトナー、中に着たモックネックスウェットシャツ¥13,200(税込)/ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL:03-5772-5501)、スウェットパンツ¥30,800(税込)/メキパ(アンシングス TEL:03-6447-0135)、スニーカー スタイリスト私物。

カナダグースが取り組む、サステイナブルな活動とは?

2021年1月に発売された、カナダグース史上でもっともサステイナブルな「ザ スタンダード エクスペディション パーカ」。リサイクル生地や再生利用ファーを使い、エクスペディション パーカよりもカーボンフットプリントを約31%、ウォーターフットプリントを約68%削減させた。それでいてマイナス30度に耐えうる防寒性能を持つ。

近年になるまで世界のどこにも直営店を持たず、孤高の道を歩んできた1951年創業のカナダグース。そのブランドが長年に渡り日本でもトラッド、アメカジ、アウトドアらを好む人々を中心に支持されてきたのは、極寒の地を有するカナダで生まれた、マイナス数十度の気温に耐えうるプロスペックのアウターの存在が理由だ。独自開発のポリエステルコットンを表地に使った味わい深いダウンウエアが、アドベンチャーへの憧れの象徴となった。その知名度が一般層にまで広がったのは、スリムに簡素化した街で着やすい「ジャスパー パーカ」が2012年に登場したのがきっかけ。ナチュラルスタイルの流行とも合致して瞬く間に人気が広がり、カナダグースは「誰もが1着はほしい」防寒アウターのポジションを確立していった。

その彼らが現在取り組んでいるのが、全世界のファッション産業の急務とされるサステイナビリティを前提にしたモノづくりである。20年4月の声明では、SDGsをサポートする主に5つのコミットメントが発表された。その内容は、「25年までに温室効果ガスを実質ゼロにするカーボンニュートラルの達成」「22年に動物の毛皮(ファー)の新規仕入れを終了し、再生利用された毛皮だけを使う製造プロセスの実現」「ダウンやフェザーを採取する動物に配慮した、レスポンシブル・ダウン・スタンダード(RDS)の21年中の完全承認」「持続可能なサプライチェーンに基づく製品を認証する、ブルーサイン(Bluesign®)の25年度の90%達成」「カナダグースが管理・所有するすべての施設でのプラスティックの使用廃止」。これらを達成すべく、社を上げて取り組んでいる。

我々も着る服を選ぶ時、ブランドの姿勢を問うことが大切になった。意味のある服を手に入れ、長く愛用して資源を無駄にせず廃棄物を減らすことが望まれる。こうした一人ひとりの意識改革こそが、ファッション産業を持続可能な未来へと導く。

現在のサステナビリティの取り組みに先駆けた2007年に、世界のホッキョクグマの生息地を守る活動を支援。ホッキョクグマの2/3がカナダに生息することから、保護団体「ポーラーベア インターナショナル(PBI)と協力してPBIコレクションを発売し、売上を団体に寄付。こうした活動は重要な事業として現在も続いている。

カナダグースのブランドとしてのフィロソフィーと、サステイナビリティへの決意を表現する動画。HUMANNATURE=「地球を冷たく保ち、人々を暖かくする」というミッションを掲げる。



【各アイテムの公式ページ一覧】

SCIENCE RESEARCH JACKET(サイエンス リサーチ ジャケット)
LOCKEPORT JACKET(ロックポート ジャケット)
NANAIMO JACKET(ナナイモ ジャケット)
SEAWOLF JACKET(シーウルフ ジャケット)

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問い合わせ先/カナダグース TEL:03-6758-1789
https://www.canadagoose.jp/