新たな1日まであと1分。その高揚感と期待を込めた数字を冠する「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、およそ四半世紀ぶりとなるオーデマ ピゲの新コレクション。144年の伝統と高度な技術力に芸術性を加えた独創的なデザインは、新たなレジェンドとなりつつある。
オーソドックスな丸形のダイヤルに、サテンとポリッシュで磨き分けた8角形のミドルケース。ベルトとの接合部であるラグは、オープンワークによって大胆な中空構造となっている。オーデマ ピゲの新コレクション「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、軽快で現代的なイメージをもつ革新的なケースが特長だ。このラグの上部は極薄のベゼルに溶接。下部は裏蓋にピタリと寄り添いながらも、メンテナンスなどのために薄紙1枚程度の隙間がある。現代の高度な技術がなければ不可能な革新的ケース構造だが、その一方でダイヤルは伝統的なデザインを継承。まさに伝統と革新の融合であり、芸術的な感性がそれを可能にしたと推察できる。
上の写真、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ トゥールビヨン」は、ダイナミックに開放されたラグに対応するように、透け感の高いオープンワークを施したモデル。研ぎ澄まされたブリッジがなめらかな円弧を描く。ブラックベースのスタイリッシュな緊張感の中で、6時位置のトゥールビヨンがダイナミックに躍動。18Kピンクゴールドの時分針が鮮やかに映える。
高級時計は卓越した技術力だけでなく、美を追究する芸術性も不可欠だ。1875年の創業当初からそれを強く意識してきたオーデマ ピゲは、2013年から世界最大級とされる現代アートの祭典「アート・バーゼル」のグローバルアソシエイトパートナーを務めている。翌14年にはオーデマ ピゲ・アートコミッションも設立。革新的なインパクトをもつ優れた作品を生み出すアーティストを支援してきた。こうしたコンテンポラリーアートとの密接なつながりが、今回の新コレクションに様々な刺激を与えたことは想像に難くない。
写真の「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライングトゥールビヨン」のダイヤルはグラン・フー(高温焼結)によるエナメル仕上げ。スモークブルーのグラデーションが艶やか。6時位置のフライングトゥールビヨンは前面にブリッジがないため、このダイヤルを邪魔することなく精緻な存在感が漂う。立体的なアラビア数字とインデックスはアプライド(植字)で、時分針ともに18Kホワイトゴールド。優れた視認性はもちろん、無垢な煌めきを楽しめる。
優雅なデザインに、新開発のクロノグラフを搭載。
2019年10月19日から17日間にわたって、『時計以上の何か』と題するオーデマ ピゲのエキシビションが東京ミッドタウンで開催された。オーデマ ピゲが受け継いできた地理的、文化的、歴史的遺産を感性で巡ることをテーマとして、アーカイブから厳選した歴史的な価値をもつヴィンテージウォッチから現行モデルまで150本以上を展示。それらを生み出した熟練の職人技や故郷のジュウ渓谷などを、池田亮司やダン・ホールズワースらが芸術作品で表現。時計界では異色の展示会として大きな話題となった。このユニークな試みが実現したのも、アーティストたちとの密接な交流があるからだ。
写真の「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」は、コラムホイール式で針飛びの怖れのない垂直クラッチ式。8層に塗り重ねられたブルーラッカーのダイヤルに、18Kホワイトゴールドのアプライド(植字)アワーマーカーが清新。サブダイヤルの枠線も同素材で、内周には同心円状の線彫りが施されているほか、ダイヤル外縁にはタキメーター。シャープなエッジが高機能を印象付ける。
新開発のフライバック機能付きクロノグラフに、ブラックダイヤルを合わせたバリエーション。18Kピンクゴールドのケースやインデックス、サブダイヤルの枠などが、ラッカー仕上げ特有の漆黒と美しくコントラストを描き出す。6時位置のスモールセコンドを小さく、積算計は逆に大きくアレンジして視認性を向上。インデックスは12だけをアラビア数字にしており、ウィットが感じられる。高機能を追求したクロノグラフだが、ドレッシィなスタイルにも良く似合う。
3針の自動巻きで、オーデマ ピゲの美学を堪能する
2020年は、オーデマ ピゲにとってさらなる躍進の年になるだろう。オーデマ ピゲの新しいミュージアム「ミュゼ アトリエ」がいよいよオープンするからだ。スイス、ジュウ渓谷のル・ブラッシュにある本社に隣接した場所で2017年に着工。地面からせり上がったような螺旋状の構造に、大型の曲面ガラスを組み合わせた個性的な建物が誕生する。そこではヘリテージウォッチだけでなく、マニュファクチュールのアーカイブも保管。伝統復元のアトリエや職人技を継承するメティエ・ダールの工房も設置される。前述したオーデマ ピゲ・アートコミッションにより制作された作品も展示予定。東京で実施されたエキシビション『時計以上の何か』を永続的に展開していくミュージアムといえそうだ。
写真の「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」は、コレクションのデザイン的な魅力をピュアに堪能できる3針の自動巻きモデル。ラッカー仕上げのダイヤルが美しい艶を放つ。深みのあるホワイトが18Kピンクゴールドのアプライド(植字)インデックスと絶妙にマッチ。高貴で清廉、知的な雰囲気も漂う。
上写真の「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」は、ブラックラッカー仕上げの漆黒の色合いを堪能できる3針のシンプルなモデル。18Kホワイトゴールド製のアラビア数字やバーインデックスが美しく映える。信頼性や精度を向上した新開発の自動巻きムーブメントを搭載。22Kゴールド製のローターを備えており、巻き上げ効率が高く、約70時間のロングパワーリザーブも実現した。
新コレクションの「CODE」は、「Challenge(挑戦)」「Own(継承)」「Dare(追求心)」「Evolve(進化)」の頭文字。創業時から継承してきたDNAを、実際の塩基配列と同じ4つの文字に集約。それに基づいて5年がかりで完成したという。パワフルなボディで世界を瞠目させた「ロイヤル オーク オフショア」から26年ぶりとなる新コレクションにもかかわらず、3種類の新開発ムーブメントを含む13タイプをラインアップ。さらに来年3月には新作が追加される予定という。「ロイヤル オーク」でラグジュアリー・スポーツ分野を先導してきたオーデマ ピゲだけに、多彩な展開が期待できそうだ。
●問い合わせ先/オーデマ ピゲ ジャパン TEL:03-6830-0000
www.audemarspiguet.com/ja/