フィアット×岐阜の木工、イタリアと日本の職人技が導いた出合い。

  • 写真:杉田裕一
  • 文:和田達彦

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日本との絆をより深く結びたいという思いから、イタリアの自動車メーカー、フィアットが取り組んでいる「フィアット×メイド・イン・ジャパン・プロジェクト」。日本の伝統工芸を紹介する活動の2018年版が始動し、今回は「岐阜の木工」をテーマとした、飾り棚が完成しました。

今回の作品テーマとなったのは「岐阜の木工」。飾り棚の棚板には日本有数の木材の産地、飛騨高山のイチイ材を用い、一刀彫の細工を施した。またスチール製のフレームは、刃物の町として知られる関市で製造されたものだ。

風土やモノづくりの文化において、共通する部分も多いイタリアと日本。その両国の交流をもっと深めたいという願いから、フィアットが2014年から行っているのが「フィアット×メイド・イン・ジャパン・プロジェクト」です。

生産者・デザイナー・ショップ・顧客を全国規模でつなぎ、日本のモノづくり文化の継承を実現するNPO法人「メイド・イン・ジャパン・プロジェクト」の協力を得たこの活動は、オリジナルの協働プロダクトづくりを通して、日本各地の優れた伝統工芸品とその技術に新たな光を当てるもの。これまでに鹿児島の薩摩切子や栃木の日光彫など、さまざまな日本の伝統工芸を紹介してきましたが、今回のプロジェクトは特別編として、これまでに生まれたオリジナルプロダクトを展示するための飾り棚づくりに決定しました。

「メイド・イン・岐阜」にこだわった、イチイ材と鉄の飾り棚。

完成した「岐阜県 一位一刀彫(いちいいっとうぼり) 違い棚」。アシンメトリーなデザインは、室町時代に誕生した住宅様式である、書院造の内装に見られる違い棚がモチーフ。互い違いに棚板を配置したことで、高さのある展示物にも対応。背面がない仕様は、さまざまな角度からの鑑賞を可能にした。

「これまでのフィアット×メイド・イン・ジャパン・プロジェクトの作品を、より多くの人たちに見ていただきたいという考えから、それぞれの製作ストーリーを大事にしつつ、アート作品のように展示できる飾り棚をつくることにしました」。このように語るのは、FCAジャパンでマーケティング本部長を務めるティツィアナ・アランプレセ。そして今回の作品テーマとなったのは「岐阜の木工」です。

棚板には日本有数の木材の産地、飛騨高山のイチイ材を用い、そのうちの1枚には、同じく飛騨高山の伝統工芸である一位一刀彫(いちいいっとうぼり)の細工を施します。また、さまざまな場所での展示に対応するためには分解・組み立てを容易にする必要があるということで、フレームにはスチールを採用。こちらは刃物の町として知られ、昔から金属加工業が盛んな関市にある杉山製作所が担当することになりました。

風に乗って飛んでいく雲をモチーフにした、飛雲文様の一位一刀彫。この細工部分は飛騨高山の木彫刻職人、小坂礼之さんの手によるものだ。
鉄製のフレームは、関市の杉山製作所が担当。無垢の鉄材の加工を得意とし、オリジナルの什器や家具の製作・販売を手がけている。
イチイ材を手配してもらったカネモクの構内で、イタリアと日本の家具づくりについて語り合うティツィアナ・アランプレセ(右)と吉川和人さん(左)。
完成した飾り棚に陳列された、これまでに生まれたオリジナルプロダクトの数々。岐阜の郡上おどりの下駄や香川の丸亀うちわなど、興味深い作品が目を惹く。

飾り棚のデザインおよび設計を手がけたのは、岐阜県立森林文化アカデミーで木工技術と日本の森林文化を学んだ家具職人の吉川和人さんです。

「飛騨の匠に代表されるように、飛騨高山は古代から木工が盛んな土地。また江戸時代以降は一位一刀彫が発展し、伝統工芸として知られています。そこで今回の飾り棚は、貴重なイチイ材を使用し、一刀彫の細工を施しました。そもそも『たな』という言葉は、雲や霞が『たなびく』という大和言葉が起源。モチーフにした書院造の違い棚も、たなびく雲が原点と言われているので、飛雲の文様をあしらってみました」と、吉川さんは解説します。

こうして完成した飾り棚は、他の作品とともにフィアットのイベントや催しなどで展示される予定です。また今後も、このプロジェクトは継続していくとのこと。フィアットと日本の伝統工芸との新たな出合いに、これからも目が離せません。

走りも使い勝手も抜群のコンパクトカー、フィアットの「パンダ イージー」

フィアットの「パンダ イージー」。近所への買い物といった街乗りから、週末の郊外への遠出まで、オールマイティにこなせる5ドア5人乗りコンパクトカーだ。

「日本の伝統工芸品は、デザインが美しいだけでなく、実用的で使いやすく、毎日楽しく愛用することができる。それはまさに、我々フィアットのクルマづくりと相通じる点ですね」と、アランプレセは語ります。

115年以上の歴史を誇るフィアットは、これまでに「500(チンクエチェント)」や「パンダ」をはじめ、数々のマスターピースを世に送り出し、多くのファンに愛されてきました。毎日乗っても飽きのこない、愛着がもてるデザインに使い勝手のよさ――。それは単なるクルマという枠を超え、イタリアンカルチャーのアイコン的な存在となっています。そして時代や世相が変わっても、こうしたフィアットのクルマづくりの哲学や魅力は不変のものなのです。

親しみがもてる、微笑んでいるようなフロントマスク。四角(スクエア)と丸(サークル)の中間的な形状「スクワークル」をデザインコンセプトとしている。
シンプルで使い勝手のよいインテリア。エクステリア同様にスクワークルのモチーフを随所に採用し、遊び心のあるデザインとなっている。
シンプルでありながら大胆で個性的、そして細部まで洗練されたデザイン。フィアットのクルマには、イタリアンデザインの魅力がたっぷりと詰まっている。
直線的でいて、なめらかなシルエット。バンパー内のバックライトとフォグランプもスクワークルを踏襲。ひと目でパンダと認識できる、ユニークな後ろ姿だ。

イタリアの工業デザイン界の巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインを手がけ、1980年に誕生したフィアット パンダ。現在のパンダは3世代目に当たりますが、初代、2代目のコンセプトを受け継ぎつつ、現代のクルマに必要な性能を備えたモデルとなっています。

乗り降りや荷物の積み下ろしが楽な5ドアボディは、コンパクトながら大人5人が快適に座れ、ラゲッジルーム容量225ℓ(後席を畳むと870ℓ)とスペースも十分。また使い勝手を重視しつつ、デザイン的にも美しくする工夫が随所に施されています。85馬力のツインエアターボエンジンは低燃費ながらパワフル。マニュアルトランスミッションの特性を備えつつ、クラッチとシフトレバー操作を自動制御するデュアロジックトランスミッションとの組み合わせによって、生き生きとしたドライビングフィールを楽しめます。実用的でいて、遊び心も感じさせるこのコンパクトカーは、長く愛用できる相棒となってくれることでしょう。

フィアット パンダ イージー

エンジン形式:直列2気筒8バルブ マルチエア インタークーラー付きターボ
総排気量:875cc
最高出力:63kW(85ps)/5500rpm[EEC]
サイズ:全長3655×全幅1645×全高1550mm
メーカー希望小売価格:¥2,171,000(税込)
※写真のボディカラー「モード グレー」は、別途¥54,000プラスに。

問い合わせ先/チャオ・フィアット
TEL:0120-404-053
www.fiat-auto.co.jp

フィアット×岐阜の木工、イタリアと日本の職人技が導いた出合い。

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  • 文:和田達彦

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