第14話 角打ちでひっかけながら『未来のミライ』がひっかかる理由を考える。ー日常のすぐ隣にある非日常的な日本酒空間、角打ちー

先日、細田守監督の最新アニメーション作品『未来のミライ』を観た。『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』という、タイトルを並べるだけで、想い出のシーンが発酵中の日本酒のようにふつふつと僕の中にまた湧き上がってくるほど、細田作品は素晴らしい。もちろん、今回も最高のシーンが数多くあった。だが『未来のミライ』はなにかが引っかかる。確かに素晴らしかったのだが、ストーリーが難しく理解しづらい部分が非常に多い。奥歯に枝豆の筋がひっかかるような感じ。この感覚はなんなのだろうか。 そもそも、細田作品は常に「日常のすぐ隣にある非日常空間」を表現している。時間を超え...

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