共同醸造所の伝統の中で生き残った、一升瓶の甲州ワイン

甲府盆地では、明治時代から地元の甲州ブドウでつくったワインがブドウ農家から親しまれてきました。農家は、秋になると自分たちが育てたブドウを近くのワイナリーに持ち込み、ワインができれば今度は一升瓶を持って行き、それにワインを詰めてもらい持ち帰る。そして、そのワインで晩酌をするのです。ついこの間も、甲府盆地のあるワイナリーを訪ねた際、農家の方らしき初老のご夫婦が軽トラでやって来て、一升瓶の甲州ワインを2ケースほど持ち帰っていました。このようなワイナリーは、ブドウ農家にとって共同醸造場のような役割を果たしてきたのですね。 しかし時代の流れには逆らえず、共同醸造場的なワイナリーは、いまでは随分...

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