共同醸造所の伝統の中で生き残った、一升瓶の甲州ワイン

日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

#26|
鹿取みゆき・選&文
尾鷲陽介・写真
selection & text by Miyuki Katori
main photograph by Yosuke Owashi

甲州産葡萄酒

甲府盆地では、明治時代から地元の甲州ブドウでつくったワインがブドウ農家から親しまれてきました。農家は、秋になると自分たちが育てたブドウを近くのワイナリーに持ち込み、ワインができれば今度は一升瓶を持って行き、それにワインを詰めてもらい持ち帰る。そして、そのワインで晩酌をするのです。ついこの間も、甲府盆地のあるワイナリーを訪ねた際、農家の方らしき初老のご夫婦が軽トラでやって来て、一升瓶の甲州ワインを2ケースほど持ち帰っていました。このようなワイナリーは、ブドウ農家にとって共同醸造場のような役割を果たしてきたのですね。

しかし時代の流れには逆らえず、共同醸造場的なワイナリーは、いまでは随分と少なくなってしまいました。甲府盆地の一宮にある降矢忠夫さんが営む北野呂醸造は、数少ない共同醸造場的な役割も果たしているワイナリーです。

「年末になると、一升瓶の甲州ワインがよく売れ出すようになります。親戚にこの一升瓶を贈る家もあるんですよ」と話してくれた降矢さん。じつは降矢さん自身が、ブドウと桃を栽培する農家でもあるのです。

降矢さんがつくる一升瓶の甲州ワインには、降矢さんが育てた甲州ブドウが半分近く使われています。まったりとしていますが、後口はすっきり。まさに地ワインといった味わいです。ワインというより、葡萄酒というのがふさわしいかもしれません。世界レベルを目指すワインがあってもいいけど、その土地で暮らす人々に寄り添うワインがあってもいいのではないでしょうか?

気取らず、湯呑みでくいっといってください。

共同醸造所の伝統の中で生き残った、一升瓶の甲州ワイン
降矢さんは大学を卒業後、山梨に戻ってきて家業を継ぎました。山梨県で売られている一升瓶の中には、甲州や勝沼など地名とともに「葡萄酒」と書いてあっても、輸入原料でつくられていることもあります。しかし、降矢さんのワインは正真正銘、甲州ブドウでつくられています。しかも値段は一升瓶で2,000円前後と、抜群のコストパフィーマンスを誇ります。

甲州産葡萄酒

ワイナリー名/北野呂醸造
品種と産地/甲州(山梨県笛吹市)
容量/1800ml
価格/オープン価格(¥2,060前後)
問い合わせ先/北野呂醸造
TEL:0553-47-1563

http://www.wine.or.jp/kitanoro/

プレゼント

連載「日本ワインで乾杯!」では毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第26回「甲州産葡萄酒」のご応募の締め切りは、2016年1月12日(木)まで。ふるってご応募ください。  ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

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