特別な日こそやっぱり魚! 匠の技が冴えわたる魚介料理の店9選。

写真:日置武晴 文:浅妻千映子

日本酒を片手に味わう、分厚い赤身の酸味と脂。 絵に描いたような赤提灯の店。誰も、こんな美味いマグロが出るとは思うまい。仕入れ先は銀座の数々の高級寿司店と同じところ。その社長が「うちのマグロが最も安く食べられるのはここ」とプライベートで訪れる。本マグロのどっしりとした旨味は、寒さとともに深まる。赤身の口に広がる酸味と、それを包む冬ならではのきめ細かい脂のバランスが頂点を極める。 一方で、メバチマグロもピークを迎え、負けてはいない。「とりいち」で食べるメバチは、これがメバチかと思わせる力強さがあり、脂ののりも文句なし。しかし後味は本マグロよりスッキリしており、軽やかさも備えている。...

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