脂のおいしさあふれる和牛を、ナチュラルワインと楽しむ学芸大学の「ビストロ11」

写真:中庭愉生 文:岡野孝次

日替わりの黒板メニューに並ぶ、サラダやマリネ、グラタン、ステーキの文字。「ビストロ11」の魅力のひとつが、シンプルでわかりやすい品書きだろう。なかでも人気の高いメイン料理「徳島県産和牛のステーキ」は、肉を食らう醍醐味にあふれた一皿だ。外はこんがり、中はしっとりとミディアムに仕上げられたモモ肉からは、赤身の新鮮な旨味と香ばしくも甘い脂のおいしさがあふれ出す。「塩とコショウを振ってローストするだけ」と松浦真吾シェフは話すが、ジビエ料理で名高い長野「オーベルジュ・エスポワール」で磨いた焼の技術が光る料理だ。一方、タラのポワレには柚子、イカと香草のサラダにはあん肝ソースを合わせるなど、和の素材...

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