料理で世界の輪を広げるシリア料理の女王は、元司会者⁉

文:河内秀子

移民問題で揺れる欧州の中でも、突出して多くの難民を受け入れてきたドイツ。特に2015年は100万人を超える記録的な年だった。シリア難民のマラケー・ジャスマティもそのうちのひとりで、トランクいっぱいにスパイスを詰め、故郷ダマスカスを後にした。そんな彼女が苦労の末に開業したレストラン「マラケー」は、エキゾティックなのにどこか懐かしい味わいで、早くも人気を集めている。 実は彼女、シリアの反体制派テレビ局で放送されていた料理番組の司会者で、アラビア語圏では名前を知らない人はいない超有名人。「料理は愛を込めたコミュニケーションの手段」と言うジャスマティ。おいしい料理を通じ、世界中の人々を結びつけ...

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