ポップス界の巨人がこよなく愛した、英国紳士に必須のカバートコート【加藤和彦編】

1973年、リリースされたばかりの「サディスティック・ミカ・バンド」のファーストアルバムを持って、ロンドンに出かけた加藤和彦。その時にスローン・スクエアで見かけたロールスロイスが忘れられず、作家・景山民夫を伴って再びロンドンに出かけ、1万2000ポンドで購入する。1ドル=360円の固定相場、1ポンドが800円もした時代である。加藤はまだ26歳、運転免許も持っていなかった。 そんな有名なエピソードもあるくらい、若い時から英国へ行き、本場のカルチャーやファッションを堪能してきた加藤が、ロンドンでビスポーク、いわゆるオーダーメイドの服を仕立てることを楽しむようになったのは、90年代に入って...

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