夜のニューヨークを駆け抜けた、『タクシードライバー』のタンカースジャケット

“You talkin’ to me(オレに用か?)”。 ロバート・デ・ニーロが演じた『タクシードライバー』(76年)の主人公トラヴィス・ヴィックルが繰り返し発する有名な台詞だ。トラヴィスはベトナム戦争の帰還兵。ニューヨークでタクシードライバーになり、闇深い街を走り、「いつか本物の雨が降って、この都会のクズどもを洗い流してくれる」と日記に綴る。そんなトラヴィスが着ていたのが「タンカースジャケット」だ。 タンカースジャケットは、第二次世界大戦でアメリカ陸軍の戦車部隊が冬期に着用していたミリタリーウエア。戦車の内部という狭い空間で動きやすいように極力シンプルにつくられている。身頃はコッ...

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