フーテンの寅にオマージュを捧げた、旅心のうずくアイテム

「俺はもう二度と帰らねえよ、いつでも帰れる所があると思うからいけねえんだ、うん」 1971年のシリーズ6作『男はつらいよ 純情編』で、旅先で出会った絹代(宮本信子)を故郷の五島列島に連れ帰った寅さん。絹代の父・千造(森繁久彌)に話したセリフがこれだ。 日本中を旅する寅さんが必ず着用するのが、ベージュの格子柄のスーツ。この服を手がけた「松竹衣装」の担当者によれば「格子は粋だから」と渥美清からのリクエストでこの柄を選んだという(『メンズプレシャス』誌2015年夏号より)。生地そのものは、女性用につくられた日本製だそうだ。この格子柄は寅さんのアイコニック的な存在で、4作目以降、寅さんはほ...

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