革新的か、伝統的か。レザーを編み込んだ「ベルルッティ」の新作ニット

写真:安達紗希子(CROSSOVER) 文:今野 壘

木工を生業とする指物師だったイタリア人、アレッサンドロ・ベルルッティが旅の果てに辿り着いたパリで靴工房を開いたのが1895年のこと。実に124年もの歴史をもつ不動の名門ですが、そのプレタポルテはまだ丸8年と、意外にも浅め。にもかかわらず、メゾンの伝統を確かに感じさせる1着です。クリス・ヴァン・アッシュがクリエイティブディレクターに就任し、2回目のコレクション発表となったこの秋冬。イタリア北部の都市、フェラーラにあるメゾンのファクトリーにて職人たちが使っている古い大理石のテーブルを見たクリスが感銘を受け、そこに紐付けたマルチカラーが、このニットのキーパレットになっています。象徴的な配色を...

続きを読む