戦後の観光の道を切り拓いた、沖縄最古のホテルとは?

写真:井田佳明 文:新崎理良子

戦後まもない頃に建てられたホテルが、当時の面影を残し、那覇の街中で過去と未来をつなぐように佇んでいる。幾度も荒波を越えてきた軌跡をたどった。 日本の領土だった戦前の大和世から米軍統治下に置かれたアメリカ世を経て、1972年に祖国復帰を果たし、再び大和世へ。こうした時代を背景に、沖縄観光の歴史を切り拓いてきたホテルがある。その名も「沖縄ホテル」だ。 ホテルが立つ大道という場所は、国際通りや新都心エリアを徒歩圏内に擁する那覇の中心街。大通りに面した入り口からアプローチを抜けて赤瓦門をくぐると、街の喧騒はぴたりとやみ、時空を超えたような錯覚に誘われる。精霊が宿っていそうな大きなガジュマル...

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