『パブリック 図書館の奇跡』に見る、図書館が社会の縮図として描かれるワケ。

文:細谷美香

1980年代にはヤング・アダルト・スター“ブラット・パック”の中心的な存在とし活躍し、87年の『ウィズダム/夢のかけら』で監督デビュー。以来、監督としても着実に作品を積み重ね、父親のマーティン・シーンを主演に迎えた前作『星の旅人たち』では美しいロードムービーを見せてくれたエミリオ・エステべス。今回紹介する『パブリック 図書館の奇跡』は、そんな彼が製作、監督、脚本、主演を務めた作品。高校の図書室を舞台にした青春映画『ブレックファスト・クラブ』で人気者になった彼が、時を経てふたたび図書館を舞台にした作品を完成させたのです。 シンシナティが大寒波に襲われたある日、寒さをしのぐために閉館後の...

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