1年間密着取材した映画『樹木希林を生きる』が伝えてくれる、愛と優しさと覚悟。

文:細谷美香

昨年9月にこの世を去った、樹木希林さん。彼女が残した言葉を編んだ書籍がベストセラーになるなど、いま注目される女優のひとりです。映画『“樹木希林”を生きる』は、1年間という長期密着取材をしたNHKスペシャルに未公開映像を加えて再編集した作品。がんを患いながらも『モリのいる場所』『万引き家族』など4本の映画の現場に、「近所に買い物に行くみたいに」自ら運転する車で向かう彼女にカメラが向けられています。 ヘアメイクの若いスタッフが結った髪型に納得できないときには、資料をちゃんと見て「自分で感じて」と伝え、そのすぐあとで「大丈夫よ。責任はもたせないから。おばあさんは勝手なことを言う存在だから意...

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