巨匠・スコセッシの『アイリッシュマン』は、最先端技術で現在を更新する“新たな映画”だ。

文:小島秀夫

これからのエンタテインメント、とりわけデジタル技術と共存するエンタメは、今後5年以内に確実に変化する。 キーワードはストリーミングであり、AIであり、ARである。リュミエール兄弟の発明以来、映画は映画館で観るものだった。やがてTVが登場し、映画は家庭でも観られるようになり、さらにビデオやDVDのようなパッケージの誕生、PCやスマートフォン、タブレットなどで映像鑑賞は時と場所の制約から自由になった。この状況を現出させたのは、主にNetflixやAmazonビデオなどの配信(ストリーミング)事業の台頭によるものだ。その変化は、視聴者の環境だけでなく、クリエイターをも呑み込んでいく。...

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